第8話

幻のメニュー
1,958
2021/09/05 01:41
安室透
安室透
なにかお食べになりますか?
私
はい!えーっと…
私
オススメってありますか?
安室透
安室透
そうですね…
安室透
安室透
個人的には、
ハムサンドに自信があります!
私
じゃあ、それでお願いいたします!
安室透
安室透
分かりました、どうぞお好きな席で
お待ち下さいね。
私
はい!


トンッ トンッ トンッ
店内には野菜を切る規則正しい音が響く。



























安室透
安室透
お待たせしました。
私
わぁ〜美味しそう!
安室透
安室透
ごゆっくりどうぞ


満面の笑みで出されたハムサンドを頬張る彼女を見て、安室はふと、あることを思い出した。















私
ふー、美味しかった
安室透
安室透
あのー、これ良かったら。
そう言って、テーブルに置かれたのは
なんとも可愛らしいカップケーキ
桜色のクリームの上に桜の形をしたピンク色のチョコレートが散りばめられ、ミントの葉が乗っている
私
わぁ〜!!
可愛い!
安室透
安室透
実はこれ、来年の春の新作に出そうと思っているのですが…
安室透
安室透
あなたさんに、味の試食をして頂こうと思って。
私
え!いいんですか!?
喜んだり驚いたりとコロコロと表情が変わる彼女を安室は、どこか遠いところを見るような顔で微笑みかけながら話していた。
安室透
安室透
はい、
是非味の感想をお聞かせください。
私
ヤッター!いただきまーす
私
…ん〜、美味しい!
私
わ〜、こんなに可愛い見た目だからとっても甘いと思ったんですけど、
私
甘さは控えめで、男性の方でも食べやすそうですね!
安室透
安室透
はい、カカオ濃度が高いチョコを使用しました。
安室透
安室透
喜んでいただけて何よりです!
私
すっごく美味しい〜
私
試作品なんてもったいない!
私
今すぐにでも売れちゃいますよ!
安室透
安室透
うーん…そうですか
安室透
安室透
では、
安室透
安室透
あなたさんには特別に
そう言って安室は彼女に向かってウインクをした
私
え!?私にだけ!?
私
来年の春のまで待たなくても、
食べられるってことですか!?
安室透
安室透
えぇ、そうです。
私
やった〜!
私
私だけってことは━━━━━━



















“幻のメニュー”








私
ですね!

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