第20話

久々の登校
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2019/01/02 12:35
それからあたしが学校に行けたのは一週間後の事だった。


てかね、あのー、あたし、かかっちゃってたんですよ。


インフルエンザ。


1回もかかったこと無かったのに!!


熱はすぐひいて、最後の3日間くらいマジで暇だった…。


つか、熱は別にあの雪が降った日のせいじゃなかったってことだ。


どこで貰ってきたんだろう…


そして今凛がインフルで出席停止中。


ごめんね、凛。


伝染しちゃったね…。


幸い、クラスのヤツらは伝染ってなかったらしい。


保健室まで来たあの3人、強くね?


「あなた!」


下駄箱で靴を脱いでると後ろから声をかけられた。


「あ、康輔。

おはよ。」


「はよ!

インフルだったんだって?

大丈夫?」


「あー、さすがに大丈夫。

つか3日前から大丈夫。」


早く学校来たかったんだよなー!


「あ、そうだ康輔、今日帰り暇?」


廊下を2人で歩きながら話す。


今日あたし、部活休みなんだよね。


「え、暇だけど、なんで?」


「前にお見舞い来てくれたし、この間も保健室来てくれたし…

なんか奢ろうかと思って!」


「え、そんなのいいのに!」


ブンブンと手を振ってみせる康輔。


まぁ、そー言うと思ったけど…。


「いーの!

あたし、奢らないと気が済まないから!」


そういうとこはキッチリしたいあたし。


若干強引だけど…


「佐伯と陽向は?」


ギク。


「佐伯は誘ってみる。

陽向は…どうせ部活だろ?」


それに…


なんか陽向の顔見れないし…


部活であってくれと心から願う。


「まぁー、そーだろうな…」


「じゃあ、放課後決定な!」


「おー、どこ行くの?」


「どこでもいーよ」


奢るって言い出したものの無計画。


どこがいーかなぁ…


「あ、駅前のジェラート屋は?」


最近できたとかみっちゃんと遥が言ってた。


「冬に!?

寒くねぇ?」


ははは、と康輔が笑う。


「あ、」


「ん?」


「あそこは?

ストルーレ」


「えっ、康輔甘いもの苦手じゃなかったっけ??」


“ストルーレ”というのはこの辺で有名なケーキ屋さん。


「まぁ、たまにはいいかなと思って。」


「康輔がいいならいいけど…」


「じゃ、決まりな」


ちょうど教室に着いてあたしたちはそれぞれ自分の席についた。

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