あなたside
私がいつまでも次の柱_師範の所に行けない理由…
何でなのかな…
なんて悶々と考えても仕方ないから、時透さんに直接聞いてみることにした。
それで警備中の時透さんを探しに出てきたんだけど…
時透さんどこにいるんだっけ…
また肝心なこと聞き忘れたよぉ!!
外けっこう寒いし…早く見つけたい…
慌てて後ろを振り向いた
聞かなきゃ、理由…
時透さんは黙っている
どんな表情をしているのか、暗くてよく分からない
柱の継子、だからかぁ…
確かに、もっと速く動けてもいいのかもしれない
なんか言葉たどたどしいけど、時透さん…
…今どんな顔してるんだろ、私
きっと変な顔してる
……時透さんに正面から見られたくない
そう思って、横に並んだ
夜空には満天の星が広がっている。
夜は鬼しか見てなくて、夜空なんて全く見てなかったけど…
星ってこんなに綺麗だったんだ…
『__星が綺麗ですね』
言っちゃった……
意味…さすがに、知らないよね?
『月』ならまだしも、『星』なら知らないはず…
ふいに、彼の瞳が真剣な色になった。
その瞬間、
私の体は引き寄せられ
柔らかいものが、唇に触れた____
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!