あなたside
そんなことを考えていると、
自分の階に到着してしまうエレベーター。
降りなきゃ、と思っていると、
その男の人も、エレベーターを出る。、
·····同じ階なんだ、
その男の人を見ながら、エレベーターから出ようとすると、エレベーターと、床との間でつまづいて転びそうになる。
転ぶ、そう思って目をつぶると、
ふわっ、と香水の香りに包まれる。
...痛くない、?
瞑った目を開けると、そこにはさっきの男の人が、
色々状況が飲み込めなくて、
何も言えずにいると、
すごい心配そうにこっちを見てくれてる。
この目、
どうしよう、この人すごい焦ってる。
ていうか、この男の人誰だか分かってしまった。
さっき、一目惚れした私の大好きな人だ。
どこの誰かも分からない彼...。
見間違えるわけない。
こんなに好きになっちゃったんだから。
そう分かった瞬間目が合わせられなくなって、
思わず目を逸らしてしまう
急なタメ口に、ぱっ、と顔を上げると、
にこっ、と笑った彼。
そう言いながらまた笑ってくれた
覚えててくれたんだ
でも、なんて答えていいか分からなくて
目を見つめたまま、固まってしまう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。