ミッドナイト「今年度雄英体育祭1年の全日程が終了。それではこれより、表彰式に移ります!」
でっかく花火が上がる。
私はなんとか3位の座についた。
表彰台に約束通り乗ることは出来たんだけど……
爆豪「ん゙ーっ!ゔぅー!」
『勝己落ち着いて……』
この通り大変な状況。
そういえば飯田くんがいないな…
本当は3位の台には私と飯田くんが乗るはずなんだけど。
ミッドナイト「3位には蝶羽さんともう一人飯田くんがいるんだけど、ちょっとおうちの事情で早退になっちゃったのでご了承くださいね☆」
さすがミッドナイト先生メディア意識が高い…!
それにしても、おうちの事情……
せっかくの表彰式をすっぽかしてまで行くってことは
だいぶ緊急事態なのかもな。
ミッドナイト「それではメダル授与よ!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!」
「ハーッハッハッハッー!」
ミッドナイト「我らがヒーロー、オールマイト!!!」
オールマイト「私がメダルを持ってーキタァァァ!!!」
あはっ、見事にダブった
ミッドナイト「そ、それではオールマイト。3位からメダルの授与を…」
オールマイト「よしっ、蝶羽少女おめでとう。強いな君は。男子にも劣らずの強さだ」
『嬉しいです』
オールマイト「もっと戦闘のレパートリーを増やしてもいいだろう。個性の二つ持ちなど珍しい。今のところ羽と蝶って別々の感じだが、合体させてみる、とかね」
『レパートリーですか。もっと訓練します』
オールマイト「期待してるぞ」
『ありがとうございますっ!』
オールマイトに期待とか言われたちゃった。
二つの個性を合体させた技考えてみよっ!
オールマイト「轟少年、おめでとう。決勝で左側を収めてしまったのは訳があるのかな?」
轟「緑谷戦できっかけをもらって……わからなくなってしまいました。貴方が奴を気にかけるのも少しわかった気がします。貴方のようなヒーローになりたかった。ただ、俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃダメだと思った。……精算しなきゃならないものがまだある」
オールマイト「うん。顔が以前と全然違う。深くは聞くまいよ、今の君ならきっと精算できる」
轟「はい」
轟くんがなんの躊躇いもなく、
左手の個性を使えるようになったら
いつか全力で戦いたいな。
オールマイト「さぁて!爆豪少年!……っと、こりゃあんまりだ…。」
オールマイトが勝己の口枷を外す。
「選手宣誓の伏線回収見事だったな」
確かに伏線回収したけど……
爆豪「オールマイト……」
オールマイト「ん?」
爆豪「こんな1番なんの価値もねぇんだよ!ゴミなんだよォーッ!!!」
オールマイト「カオスすぎる……!」
『拘束されてる奴が1位とかしんどいってw』
爆豪「うるせぇぇぇ!!」
オールマイト「メダルは受け取っておけよ!自分の傷として決して忘れぬよう。(今どきの高校生怖っ……)」
爆豪「いらねぇつってんだろうがァ!」
オールマイト「まぁまぁ」
爆豪「だから!いらねぇって!!!」
『ぷくっ……首じゃなくて口なの……ぷぷっ……』
爆豪「聞こえてんだよ!テメェ後でぶっ殺す!」
『ぷくくっ……まぁ1位は無理だったけどさ、約束果たせたんだから有難く受け取っておきなって。せっかくNo.1ヒーローから貰えるんだからさ』
爆豪「ふん……いらねぇんだよ」
『ハイハイ』
オールマイト「さぁ!今回の優勝者は彼らだった!しかし皆さん!この場の誰にも、ここに立つ可能性はあった。_______________最後に一言。皆さんご唱和くださいっ!せーのっ」
「「「お疲れ様でしたぁ!!」」」
「「「Plus ultra!!」」」
「「「そこはPlus ultra!!でしょ!オールマイト!」」」
オールマイト「あ、いや……疲れたかなと思って…。」
オールマイトのお茶目な一面も見れたところで私たち1年生の雄英体育祭も幕を閉じた_______________
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。