第37話

君の手と私の手
3,004
2020/10/10 03:00
拳藤side






場外にいたのは紛れもなくあなたで、、、





ミッドナイト「蝶羽さん場外!爆豪くん決勝進出!!!」






ミッドナイト先生の一声でようやく爆豪くんとの決着が着いたんだと実感した。





拳藤「……ゔぅ…」



鉄哲「うぉお!拳藤!?大丈夫か!?」



拳藤「うん大丈夫…」



鉄哲「2人とも熱かったもんな…!」



拳藤「あなたは頑張ったよ…!」



鉄哲「おい!あれ見ろ…!」



拳藤「!」






鉄哲が指した先にはあなたのところに歩いて行く爆豪くん。






鉄哲「爆豪のやつなんだ…?」






あなたの前に立つとゆっくりと手を差し伸べた。






拳藤「〜っ!」






あなたが差し伸ばされた手を掴んだ瞬間、会場中が歓声が飛び交った。





爆豪くんもあなたもほんとに凄い……。






「あの2人は将来化けるぞ」

「あの綺麗な個性は見るものを圧倒するな…」

「今年は強者ばっかりだ」

「これはドラフト荒れるな…」






プロヒーロー達からもこんな言葉が聞こえた。






“ 綺麗な個性は見るものを圧倒する ”






ほんとにその通りだ_______________






あなたside





負けたんだ私。





でも…なんだろ凄くスッキリしてる。





爆豪「…ん」



『……え?』



爆豪「手…」






掴めってことかな……?





『ありがとう』





勝己の手を掴んで起き上がった。





『当たりたくなかったなんて思ってたけど、今は勝己と戦えて良かったって思ってるよ……』



爆豪「おう…、次また戦うときも負けねぇからな」



『次は勝つよ…!』





勝己が片方の口角をあげた。





『あ、勝己ちょっと待って』


爆豪「あ?」


『はい』






私は手を差し出した。






爆豪「なんだよ」



『いいからいいから』



爆豪「ん……」






爆豪side





手を掴むとあなたが光に包まれた。





それと同時に俺まで光に包まれた。





……なんだこれ…。





『ふぅ……はい…!回復完了!』



爆豪「回復…?」






自分の体から痛みが引いていくのが分かった。






爆豪「マジかよ……」





痛みが無くなるのと同時に傷までなくなって、戦う前の状態のように元通りになっていた。





爆豪「…なんで、俺だけ…」



『さっきの障害物競走で1回、回復使っちゃったから調子悪くて勝己しか治せなかった…!』



爆豪「別に治さなくっても…」



『だーめ!今から決勝なんだし!それに……













私の分まで勝ち進んで欲しいからさ!』







そう言って微笑むあなたは個性と同じようにとても綺麗だった。

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