朝早く目が覚め、身体を起こすと
机に俯せて寝ているユンギさんが目に入った。
もしかすると、昨日あのまま
眠ってしまったんだろうか。
起こさないようにそっと近付くと、
昨日飲んだ薬の袋が目に入った。
躊躇いながらも手を伸ばすと
🐭「 人のものに何触ろうとしてんの? 」
目が覚めたのか、
ユンギさんがじろっと私を睨んだ。
『 ごめんなさい、気になって、、 』
🐭「 教えてやろうか?なんのために飲むのか、 」
片方の口角をあげ私に聞いてきた。
聞きたいけど、聞くのが怖い。
黙っていると、
🐭「 病気だからだよ、 」
そうぶっきらぼうに告げた。
その寂しげな顔で、嘘をついていないことが
分かってしまう。
『 死なないですよね、? 』
恐る恐る聞くと、
🐭「 死ぬわけねぇだろ、馬鹿 」
くしゃっと笑って私の頭を撫でた。
『 良かった、、 』
🐭「 ん。お前先に下降りたら? 」
『 そうしますね、 』
扉を閉めると力が抜け、その場に崩れ落ちた。
もちろん、安堵してだ。
でもそこで気がついた。
命に関わらないものなら何で、
昨日泣いていたのだろう、、
『 いや、ユンギさんが死なないって言ったんだから 』
浮かんだ疑問を振り払った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!