第4話

# three
176
2021/07/02 07:31
ななもり
あなた…?

ベッドの上で倒れるように眠っている彼女













毛布も掛けずに……あなたにしては珍しい
















近付いて顔を見てみると、目の回りが腫れていた

























あーあ、……泣かせてしまった…俺のせいで。


















ななもり
…ごめんね

あなたの手を握り、呟いた声は誰にも届かない

















ななもり
あなたの彼氏は俺で良いのかな、?

















『なーくんじゃなきゃだめなの』




















『なーくん大好きだよ』
















『なーくんがいいの、他の人じゃだめ』

















ななもり
……あなた…














あなた相手が俺で良いのか迷うと、あなたは必ず『なーくんがいい』と言ってくれた。
























なのに


















俺を必要としてくれている人を泣かせてしまった。























自分の不甲斐なさに思わず涙が零れそうだった



















でも…俺が泣く理由なんてない。






















この人を、あなたを幸せにしなきゃいけない
























一緒に人生歩んでいく人に笑顔でいてもらうために



















ななもり
ごめん…ごめんね














幸せにするために…って。

















口先だけだって言われても否めないのが現状

















勿論、あなたは俺の人生の中で大事な大きな存在

















だけど、現状は『あなた<仕事』になっている
















ようやくこの前大きな物事が落ち着いて、あなたと一緒にゆっくり過ごせると思っていたのに。





















トラブルやら、新たな企画、これからのこと。


















俺は社長として何かあったら責任をとる責務がある






















トラブル対応や、企画考案などのミーティングには俺が居なくてはならない。



















この前の電話も…会社で色々あり、緊急だった

















あなたとの2人きりの大事な時間

















その時間を引き裂くように鳴り響いたコール音





















あなたとの時間、大切だ。勿論大切な時間。




















だけど、軽いトラブルかあったとのことで俺はそれを対応して、処理する義務がある。





















俺は仕事を優先したことがあっていたのだろうか

















現状、大好きな彼女を泣かせた、俺が泣かせた。





















ななもり
……俺、…あなたを幸せに出来るのかな
あなた
んッ…、…
ななもり
ぁ……
不甲斐なさから握っていた手に力が入ってしまう


















君が起きたら伝えよう




















『ごめん』と、『幸せにする』と。















編集済み。

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