あの日もたくさん話した
未来のしたいこと、その計画
奪われたら新しく作る
口ではいくらでも言える言葉だがあの6人は違った
実行しようとする思いの強さが桁違いだった
次の日からのスケジュールをびっしりと決めていた
わかった、と返事をすると部屋に行ってしまった
この夏、頑張って欲しいのはもちろん
けれど、やはり恋人としてなのか寂しさも大きい
リビングで呟いた独り言は誰にも届かずに消える
なーくん…、ふとなーくんを求めた
常に求めているけれど、いつも以上に強く、求めた
寝室
ベッドに置かれていた服
普段ならしないのに、寂しさが勝り手に取る
服を握りしめ、ベッドに横たわる
服から伝わるなーくんの匂いに心が落ち着く
変態みたいなことしてるね、自分。
でもそんなことどうでも良かった
ハグをされてるかのような気持ちになれた
あと欲しいのは、温もり。
でも、そこは我慢しよう
大好きな匂いに包まれる幸せ
自然と口から言葉が零れた
なーくんの服を握りしめて、眠りについた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!