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2021/10/09

第3話

ㅤㅤㅤㅤ
ふふ、信じられないって顔してる

あぁ…君だ。
私を、慈しむような、愛しいものを見るような目で微笑むのは、この世で君だけだった。


可愛らしい。


真っ直ぐに落ちた黒い髪。
もはや笑えない冗談になってしまった、白く透明な肌。
少し紅くて、薄い唇。




全てのバランスが取れた君の顔が、好きだった。
正確には、その顔が見せる表情が好きだった。
駒田 郁
ど、ぅ…して

上手く言葉が出てこない。冷たい汗が喉を伝って、まるで見えない手に締められてるかのように息苦しい。


それでも声を出した。
また、君と喋れるのなら、息苦しさなんて些細な対価だ。
ㅤㅤㅤㅤ
分からないんだよね
ㅤㅤㅤㅤ
気付いたら郁くんの隣にいて、今日やっと見えたみたい

 ずっといたよ、隣に。


その一言に涙がこぼれそうで、君を思って泣いた夜もバレてるのかという恥ずかしさで、脳が止まりそう。
ㅤㅤㅤㅤ
珍しいね、スカート


そんな私の気持ちを知らずして、当たり前のように会話を続ける。
はたから見たら、私は相当変な人だろう。


何もない空間に話しかけてるはずだから。
駒田 郁
制服、だから

慣れない服装を指摘されて、少し戸惑う。
本当は、私だってこんな服着たくないよ。


君と制服を交換し合った日々が、懐かしいよ。ねぇ。
ㅤㅤㅤㅤ
じゃあ、お揃い。だね


幽霊というのは、死んだ時の姿のままらしい。
目の前の君は明らかにセーラー服を身にまとっていた。



私より似合ってる。



きっと、この世の誰よりも。
スカートの似合う男の子・・・
ㅤㅤㅤㅤ
ズボンの方がカッコイイのに
駒田 郁
仕方ないよ、世間は許してくれないから
だから、君と好きな格好をして笑いあった日々があんなにも楽しかったんだ。



だから今が楽しい。普通に笑っていられるのが、とても楽しい。幽霊だろうが、何になろうが、君は君。


受け入れるのには、大分時間がかかりそうだけど。

好きって言うつもりも無いからさ、もう少しだけ、楽しい気分でいさせてくれないかな。


























ほんとに、少しでいいから。