第2話

第2話
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2018/03/13 22:26
後輩たち
というわけで………

卒業、おめでとうございまーす!!
後輩たちのかけ声で、お別れ会は始まった。

目線をそっと動かして、あの子を探す。
あなた

あっ……

いた。
ひまり
……おめでとう、ございます
あなた

う、うん!
今までありがとね!

ひまり
い、いえ、こちらこそ……
小さな声で言うと、そのまま走って行ってしまった。
あなた

………


九条ひまり。

同じフルートパートの、ひとつ下の後輩。


わたしは後輩たちとは仲良くやっていたつもりだし、同学年とも、先輩たちとも仲は良かった。

でも––––––。

さっきとは打って変わって、生き生きと話す、ひまりの姿を見ると、なんだかモヤモヤとしてくる。

ひまりは、わたしのことが嫌いなわけではないのだろう。

これでも、人を見る目にはそこそこ自信がある。

それに、嫌いなのならわざわざ話しかけてきたりはしないだろう。

そうじゃない。
そうじゃないのだ。

でも––––––。
あなた

ひまりちゃん…

小さな声で、そっと呟く。


どうして?

もっと近づいてもいいんだよ?


何度もそう言いたくなった。
でも、答えを聞くのが怖かった。

ひまりちゃんはこっちの方が苦手なんだ、そう思うと、自分の中で、
彼女への距離感が生まれてきた。


もっと、もっとあの子と話したかったのに………。







ねぇ。
どうして?