第4話

第4話
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2018/03/14 09:17
ピロリン♪

スマホの着信音が鳴った。

あなた

…んん……?


『新着メール:1件』
開いてみて、びっくりした。
あなた

ひまりちゃん……


どうして。
実は彼女に、メールに関して
嘘をついていた。

彼女と現実で話すことに対しても
若干の違和感があったのに、

ましてやメールで話すことなんてできない。
そう思って、機種変更を口実にして、

「ひまりちゃんにメールが送れなくなった」
「届きもしない」

と嘘をついたのだ。

送っても、送られてもいないのに。


それが、お互いのためになると思ったから。
そうですか。

下を向いて呟いたあの子の顔が、浮かんできて。
卑怯者。臆病者。

自分をののしる言葉ならいくらでも出てくるのに、いつのまにか逃げている自分に気づくのだ。


ひまりちゃんが話しかけてこないから。
ひまりちゃんの笑いが、わたしの前だとぎこちないから。
ひまりちゃんが––––––。
––––––結局は自分勝手、だよね。

心の中で呟くと、
罪悪感がこみ上げてきた。


いやしかし、今は。
あなた

なんで…?

送れない、届かないと言ったはずなのに、なぜ送ってきたのだろう。


まさか、嘘がバレていた?


まさか……。

振り払って、メールを開く。



差出人:九条ひまり
宛先:神山あなた

件名:Re:届いてませんよね

本文:
あの、届いてませんよね––––––。










メールはそう、始まっていた。

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