「いやほんとお前変わってねぇーな」


したくもなかった再会をしてしまい
私の天敵…灰谷 蘭から逃げようと
駅の改札を早歩きで通る



なんでこいつついてくるわけ
なんでだよ




心の中1人愚痴をこぼし
早歩きで電車に乗る



「ぶすなまんまんじゃん」



ｯｯｯはぁ、ほんとお前も変わってねぇーよ
そういう嫌味ったらしぃの




「てか、無敵のマイキーさんとはどうなの？」



『ﾋﾟｸｯ』



マイキーの名前が出て
無視を通し続けていたが
思わず肩が揺れてしまった



「お前分かりやすいんだよなぁー」



こっちを見ながらニヤニヤと見下してくる


『…ﾁｯ』


思わず舌打ちをしてしまうと
すると蘭はからかうように口を開いた



「お前ちっさい時は蘭ちゃーん♡とか
来てくれたっつぅのに悲しいぜ俺は」



『ｯｯｯ』



無言で足を踏みつけた


ざまぁーみろ♡



「ｲﾃ"ﾃ"ｯ」



「この"あまが…!!」



怒ったようにこちらを見てくるが
その目は笑っている



『痛くないでしょ、
この醜女が踏みつけたんだから。』


煽るように視線を合わせ言えば


「醜女ってお前
自虐酷くなってねぇーか」


謎に心配してくる
いや、心配なんかじゃないか


どうせ悪役にしかなれない暴力女のことを
気にする人なんているわけがないから



『誰が…自信持てるっつーのよ』



愚痴をこぼすように
私は言葉を吐いた



「は？お前ほんと何があったんだよ」



『…あんたに教える義理はない』



食い気味に言葉を返す
吊り革を掴んでいる手に力が入る


心配されてるなんて、勘違いするから
やめてよ、そんな事言わないで


心の中に霧がかかったかのように
気分が沈む


とどめを刺すように蘭が口を開く



「もしかして







お前マイキーに嫌われたとか？」


いつもだったら
面白おかしく返せたのかもしれない


もっと、騒ぎ立てるように
ぎゃーぎゃーと反論出来たのかもしれない



ただ、私の心に入ったヒビは
そう簡単には治らない



『…』


自然と視線を落とした
自分でも笑えるほど
寂しい瞳をしていたのかもしれない



それに気づいたのか
蘭は何も言ってこなかった



「…」






〘＿＿＿＿駅〜 ＿＿＿＿駅〜〙




気まずいような空気を消し去るように
電車のアナウンスが流れた




『じゃーね』




空気を読ませて悪かったな

という意味を込めて
謝るかのように言葉を発した



「東卍のやつらあなたに何しやがった…。」



なにかブツブツと呟く蘭の姿を
見て見ぬふりをして



駅のホームに出た



騒がしい人の声は私の耳には入らず…
ただ、自分に問いかける声だけが
心の中で響く


愛されたいって思うのは罪なんですか…?



自問自答しても、自分では何も分からない




答えを求めようとしても




他に答えを教えてくれる人なんか
いる訳が無いのだが。



- - - - - - - - - - - - - - - - -



ここが、音駒高校…


つけていた眼鏡をずらし校舎を眺める


もちろん眼鏡に度なんかは入ってはない
伊達眼鏡だ


『はぁ、疲れる』


そう一言呟き
ずらした眼鏡を元に戻し
校内に足を進めた


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


1人だけ違う制服のせいもあり
ザワザワと周りが騒ぎ出す
ちょーど昼休みの時間らしい


「何あの子…眼鏡してるけどくそ可愛くない？！」


「転校生かな？！」



「いや、スタイルよっ…見た感じ3年か2年辺りだから俺のクラス来い…」


陰口を言うように
周りの人達が私のことを見ている


しんど…。


コミ障にはきついですって。



校内を歩き回るが
職員室が見当たらない


『最悪…職員室の場所わかんねーんだけど』


今の格好とは合わないような
言葉遣いで愚痴を吐く





正面の曲がり角を曲がろうとした時


『?!』


「?!」




曲がり角から誰かが走ってきた


【ぶつかる…?!】


そう目をつぶる








『ﾄﾞｫﾝｯ』




『ｶﾗﾝ…』




あんのていぶつかった
ぶつかった衝撃により
伊達眼鏡は吹き飛び割れた






思わず尻もちをつく



『ｲｯﾀさいあくすぎ…』


ぶつけた頭と
思わず着いた尻もちでお尻が痛む



「ｲｯﾃﾃ」




どうやら相手も
怪我をしたらしい




視線を上げ前を見ると
シルバー色の髪の毛が目に入った
よく見ると体格がとても大きい




『ﾊｧ』



前見てたんだけどな…私も一応悪いし


と、心の中で呟き
痛むおしり、腰を持ち上げた



『大丈夫ですか？』



手を差し伸べてあげる



「え…」



驚いたような表情の瞳と目があった






「⸝⸝⸝⸝⸝⸝」






なんで、この人顔赤いの…？




To Be Continued


新作 出しましたｯｯｯ
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