『転校…するか。』





東卍とは完全に縁を切って
一日が立った



なんのためにあの高校にいるのかも
なんのために我慢するのか
分からなくなってきた




『東京しか、ないよね』



転入するんだったら
よく土地を知ってる東京の方がいいと思った


でも、



『思い出しちゃう…かなぁ、』



あいつらとの、いい思い出は
最悪の思い出に塗り替えられてしまったため、浸る思い出なんかない



『もし会ったとしても、
もし許しを強請ってきても、


許してなんかやんないもんね、』



私は右耳に風に飛ばされた髪の毛をかけた 。


転校するとなれば
まずは引越しをしなければならない
東京の方には叔母がいるため

手続きは叔母に手伝ってもらおう、
そう決め
ケータイを開いた


『…さ、のまんじろう…ね』



ケータイを開いて一番最初に出てきた電話番号
一昨日のことを思い出してしまい



『ｯｯｯ』



涙が溢れ出そうになるのを
ぐっと堪えた



あの時の冷たい表情、冷たい瞳
あの瞬間が脳裏にフラッシュバックする



『未練なんて、東卍に、未練なんて






ないから。』




そう言い佐野万次郎の電話番号を開き
〘削除〙 のボタンを押した



















いや、押そうとした
正確には押したくても"押せなかった"



『ｯｯｯ未練たらたらじゃんか、私』



自分でも笑えるほど
 ボタンを押そうとした手が震えるのがわかる



涙が零れ落ちそうになるのを防ぐように
私は瞼を閉じた







ケータイの画面には
〘佐野 万次郎〙と書かれているまま。


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 ＿＿＿side



あいつがいなくなって一日がたった


あいつの穴埋めのようにいる
あの女はベタベタと下心しかない瞳で皆を見る



「もぅ！万次郎ったら！ちゃんしてよね！！」



「あぁ、ごめんﾍﾗｯ」



「万次郎いつもこうなんだからﾌﾟｸｩ」



媚びるような笑顔
媚びるような、甘ったるい声


みな とは、根本的に違うのがわかる


あの女の笑顔を見て
笑っているように見えるマイキーの瞳には
光はなかった


まるで、あのことを後悔しているかのように＿



いつも みな がいた ここ（東卍）は
どこか静けさを感じる



いつも笑ってる あいつ
いつも馬鹿やっている あいつ



やっぱり…東卍には みな が必要だ



失ってから俺たちは気がついた
もう、過去に戻ることなんて出来ないのに＿_



悲しさと寂しさに浸かっていると


「場地さん？」


俺名を部下 松野千冬 が呼んだ



「あぁ、どした千冬」


いつも通りを俺 も 偽り
笑顔で対応する



「ﾆｺ」



…千冬も心做しか寂しそうに笑ったように
見えたのは気の所為だろうか、


いや、気の所為なんかじゃない



3年間ずっと居た創設メンバーの一人
"みな" が、
いやあなたが居なくなったから
寂しがるのは当然だ



千冬はあなたのことを姉貴のように
信頼してたから、余計なんだと思う


黙っていた千冬が
真剣そうに俺の目を見て
口を開いた



「俺やっぱり、 
ミナ さんがやったとは思えないんすよ…。」



出てきた言葉は俺が今
言おうとしていた言葉そのまんまだった


正直 千冬からその言葉が出るとは
思っていなかった


驚きと悲しみを隠すように
急いで返事をした



「ｯｯｯあぁ、俺もだ」



そう同じ気持ちだ…と千冬に告げれば
気持ちを止めていた栓が抜けたかのように
千冬は言葉を吐いた




「だって、みな さんは誰よりも俺らのことを
心配してくれたし、
信用してくれていたんすよ？ｸｼｬ」


ｸｼｬっと笑う
千冬の目にはどんどん水分が
溜まっていくのが分かる


千冬はその涙を耐えるように
言葉を続けた



「なのに、そんな人がマイキーの幼馴染を
虐めるなんて、何かの誤解だとしか、
考えられないじゃないすかｯｯｯﾎﾟﾛｯ」



遂には耐えてたはずの涙が
女っぽい千冬の肌に垂れた




「ｯｯｯ俺だってそう思ってる」




千冬に釣られて涙が出そうになるのを
必死に隠す



千冬は涙でぐちゃぐちゃになった顔で
俺に伝えた


「あの時…止められてたらﾎﾟﾛｯ
俺、なんも出来なくて、
ほんと、不甲斐ないっすｸﾞｽﾞｯ」



「ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ」



泣きじゃくる千冬の頭に
手を置き頭を撫でてやる


釣られて目尻が熱くなるのを感じ
必死に堪えた



落ち着いたのか千冬は
涙と共にでてきた鼻水をすすった



「場地さん…!」



何か、決めたような表情で俺に訴えてきた



「みなさんを、いやあなたさんを
東卍に連れ戻しましょうよ
今の東卍にはあなたさんが必要です…!!」


泣いていたはずの涙を引っ込め
堂々と胸を張って自分の意見を言う
千冬を見て


［立派になったな、］



鼻がツーンとなるのを感じた



［千冬は前を向いているのに、
俺はこうでどうする…］


意を決し言葉を繋げる



「あぁ、そうだな！
またペヤング3人で分け合って食べようぜ！」



ニカッと今出来るだけの笑顔を千冬に見せた













あなたは、きっと自分だけの都合で
誰かを泣かせてたりなんてしない。





信じてるぞ"あなた"
俺らの、Ｎｏ．3!!









その頃あなたは



「あっれぇ？あなたさんじゃないすかー」



『げっなんでいんだよ ＿＿。』



とある人物と再会を果たしていた









運命の歯車はまだ、動き出したばかりだ。




この歯車がハッピーエンドへと導くかは
あなた次第。


バットエンドか、ハッピーエンドか
どちらになるのかなんて誰も分からない


人生は1度きり
リベンジなんかない。




だから、私は私であるための道を選ぶ
後悔なんてしないよう精一杯
今を生きることにする



東卍のＮｏ．3 狂犬みなたん ではなく



水瀬 あなたとして。
リベンジなんてするもんか!!!




第一章   END •*¨*•.¸¸ - - - - - -  - - - - - - - - - -



一章完結致しましたありがとうございます!!!
次回からは第二章が始まります

たくさんの 🤍・💬・ ★
ありがとうございました😢

これからもよろしくお願いいたします

次回から第二章 📢 s t a r t  です。