練習が終わった後,いつも通り2人で病院に戻ろうとしたとき,ミヒャが大声で呼び止めた。アレクも走ってきた。
『あれ,もう知ってたんだ。』と言うように,詠は2人を見つめ返す。
それでも尚,2人は納得してくれない。
ドイツでのサッカーが嫌に?そんな事は絶対,
そう聞かれ,私はあの手紙を思い出した。
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封筒を開いてみると,やはり両親の文字だった。
雷が落ちた様な心地がした。
でも…確かに,症状が良くなったら,サッカーをもっと楽しめる。
やっぱり双子。考えてる事も一緒。
君ともっと,楽しみたい。
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一通り説明し終えると,2人共黙り込んだ。
でも2人はまだ少し納得出来てなさそう。
『え?』と,2人は私の顔を見た。
そう2人で,これから世界に上り詰めていくであろう“戦友”に宣戦布告をした。
ここは日本の羽田空港。プライベートジェット戻ってきた。
そう言うと八雲は,黒塗りのリムジンの扉を開けた。
そこからどれくらい経っただろうか。
そう,この邸宅…2人の“部屋”なのである。一般家庭で言う,子供部屋一室。
そんな会話をしている内に,邸宅の門が開いた。
荷物をメイド達に預け,私と溯は客間へと向かった。
黄色い悲鳴が邸宅に響き渡った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。