第27話

# 作 戦
8,004
2022/11/11 12:36
 said 平野









『紫耀〜…どこ行くの?』




「え〜…秘密〜w」




『なんでよ〜、教えてくれたって良くない?』




助手席には不貞腐れながらも鼻歌交じりで少しご機嫌なあなた。





ゴソゴソ





 『あっ!』




「うおっ、、何してるの?笑」





 『…このピンキーリング、、持ってたんだ』




「うわ…懐かしっ!」





同時期にジャニーさんに直接スカウトされて入所して、暫くの間一緒に活動してたからね。





「…確か、あなたが留学する前に買ったんだっけ?」




 『…そうだね、笑』



「…あなた、持ってる?」



 『…持ってるよ笑』



「…本当に?笑」




 『…ほら!いつも首にかけてます〜笑』




「うおっ、、ガチじゃん!」







他愛無い日常の会話。







「…到着〜」





『…ここって、、』




着いたのは少しの色褪せた赤レンガのレトロな雰囲気の喫茶店。




「…覚えてる?笑」





覚えてるも何も、ここは初めて紫耀とあった場所。




事務所の手続きやら何やらで、ジャニーさんと3人でよく訪れた。





『…当たり前でしょ?笑』






不規則な木目調のドアを引けば、カランカランと静かな店内に響き渡る。




〈いらっしゃい、、おかえり〉




「久しぶり、マスター」



『お久しぶりです、』





ペコっと会釈をして窓際の木漏れ日が差す席へ座る。






〈はい…いつもの〉





『…本当に懐かしい、、あ!小倉トーストだ!』




「あなた、本当に甘いの好きだね?笑」





『まぁね?笑』






〈…それにしてもどうしたの?いきなりウチに来るなんて。。二人とも忙しいだろ?〉





〈…あなたは特に、、〉







何を思ってかは知らないけど、言葉が詰まるマスター。





「…息抜き!必要でしょ?」




〈…そうだな、、いや、すまないね。。若者のデートに年寄りが首を突っ込んでしまって。。〉





「もー…そうですよ!せっかくあなたと二人っきりだったのにぃ笑」







これ、お詫び。




と、マスターは焼き菓子を置いて厨房に戻る。









 『…』





「…ねぇ、あなた、?」





 『…何、?』





「隠してること、、話してくれない?」










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お久しぶりです。


度重なる悲報に戸惑い、心苦しい気持ちでいっぱいですがこの作品は今後とも続けていきたいと思います。


本作品は芸能界の裏側的描写を比較的多く取り扱っています。

ご理解の上、よろしくお願いします。

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