「…ここじゃ話しにくいでしょ?」
そう言ってお会計を済ませ、予約していた宿に向かった。
広々とした開放的な部屋。
二人だけ泊まるには申し訳ないくらいの。
🤵♂️「どうぞ、ごゆっくり」
コンシェルジュの方が居なくなって訪れる少し気まずい時間。
「…夕食は食べたい時で良いんだって〜笑」
自分では問わずに、私からの答えを待ってくれる紫耀。
『…紫耀、』
「…どうした?笑」
相変わらずの下手な芝居。
ドラマの時は自然体なのに、こういう時はとことんぎこちない。
『…疲れた、、疲れたーー!!』
持ってたタオルを放り投げ紫耀の背中目掛けて飛びつく。
「うぉっ?!!…何よ急に、笑」
気まずくはなりたくない。
かと言って紫耀の前ですら偽物をみせるのは嫌だ。
できるだけ簡単に、冗談交じりで。
『…日頃の愚痴、聞いてよ』
顔は、、見たくないし、見られたくない。
「…いいよ、たっくさん聞いてあげる笑」
伝わったのかは分からないけど抱きしめながら会話が進む。
『…まずね、、?』
「…だからだったのか、、!」
『そう、紫耀の家に居候させて貰ったのは修行のためだったの、、笑』
「…なんだよ、、言ってくれればベッドとかも買っておいたのに。。」
『いや、そしたら秘密じゃなくなっちゃうでしょ笑』
「…あ、そっか笑」
一段落ついて話が戻る。
「…でもさ、、あなたはこれから…ずっとそれでいいの?」
『…まぁ、馴れてきたし、?笑』
「…メンバーは、、知ってるの?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!