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第28話

ライバル出現⑦
春名あなた
春名あなた
う、うう・・・・・・っ
勉強を始めてすぐ、シャーペンを握るあなたの手が止まった。

ただでさえ苦手な数学を勉強しているというのに、廉、紫耀、美桜、海人
の視線を集中的に浴びているのだ。気が弱いあなたは、それだけで緊張してしまう。
永瀬廉
永瀬廉
ったく、そんなの解けへんなんて、お前ほんとダメダメな。貸してみ
いつまでも頭を抱えているあなたを見かねて、廉が代わりに問題を解こうノートに手を伸ばす。
しかし紫耀がその手首を掴んで、廉の行動を止めた。
平野紫耀
平野紫耀
やってあげちゃ意味ないでしょ。あなたちゃんが自分で頑張らないと
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
確かに紫耀の言うとおり、あなたを甘やかすことなら誰でも出来る。

でもそれがあなた自身のやる気をそいで、ダメダメにしてしまう。

優しさの使い方を間違えるなと暗に言われたようで、廉はグッと押し黙った。
平野紫耀
平野紫耀
あなたちゃん、ここの公式当てはめてみて
春名あなた
春名あなた
は、はい・・・
紫耀はあなたの自主性を尊重して、根気よく勉強を教え続ける。

それは正しい家庭教師の在り方だ。
3人の様子をベッドに座りながら見ていた海人と美桜も、
髙橋海人
髙橋海人
あの廉が押し負けた
今田美桜
今田美桜
ね、あいつ手ごわいでしょ?
と、敵であるはずの紫耀の対応に感心していた。 































━━━━コンコン。
その時、不意にノックが聞こえた。「失礼しまーす!」と元気な声で
部屋に入ってきたのは、セーラー服を着た女の子。
平野環奈
平野環奈
おにーちゃん、携帯忘れてて、ずっとなりっぱなしでうるさくてー
平野紫耀
平野紫耀
あー悪い
紫耀は女の子からスマホを受け取った。紫耀の妹らしい女の子は、
廉や海人に気づくなり、パッと明るい笑顔になる。
平野環奈
平野環奈
あ、平野紫耀の妹の環奈です、中3でーすっ、カンナって呼んでください♡
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
キャピキャピと超ハイテンションな環奈は、あなたとは全く逆のタイプの女の子。

積極的で、超ポジティブシンキング。もちろんイケメンも大好きだ。
平野紫耀
平野紫耀
環奈、用事が済んだなら、帰ってなさい
妹の好みをよく知る紫耀は、早々に追い払おうとするけれど。
平野環奈
平野環奈
はーい。でもその前に、そこのお二人のお名前教えてもらえますか?
髙橋海人
髙橋海人
は?
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・?
環奈はサササッと廉と海人に近づき、猛アピール!
平野環奈
平野環奈
名前ですよ名前! はいっ!
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・永瀬廉
髙橋海人
髙橋海人
髙橋海人だよ
平野環奈
平野環奈
くぅ〜、廉さんと海人さんですか〜♪ おにーちゃん神!
こんなイケメンのお友達がいたなんて!
環奈の超ハイテンションに圧されて、廉も海人もとっさに名前を答えてしまった。

中学生のノリの軽さ、恐るべし。
平野環奈
平野環奈
じゃあ廉さん、海人さん、今度遊んでくざさいねっ♡
環奈はキャピっとダブルピースすると、満足気に部屋を出ていった。

ちなみに廉と海人の間には美桜もいたのだが、環奈の目にはイケメン
フィルターがかかっていたため、女は全てスルー対象。

美桜は「若っ!」と、年も離れていない環奈のテンションの高さに呆れた。

そんな妹を紫耀はすぐにフォローする。
平野紫耀
平野紫耀
ああ見えて、一途いちずだよ、環奈も
永瀬廉
永瀬廉
『も』ってなんやねん
廉はすかさずツッコんだ。それじゃあまるで兄の紫耀も一途いちずみたいな言い方だ。

だけど俺は絶対お前を認めないと・・・・・・、廉は再び紫耀をにらむ。
春名あなた
春名あなた
あの、と、解けました・・・
その時、一人数学の問題に集中していたあなたが、遠慮がちに声を上げた。

紫耀の指導のおかげで、苦手な数学の問題が解けたのだ。

紫耀はあなたの肩にポンと手を置いて、素直に褒める。
平野紫耀
平野紫耀
やったじゃん、あなたちゃん!
春名あなた
春名あなた
み、みんなに教えてもらって、出来なかったら・・・・・・
申し訳ないから・・・・・・
あなたは恐縮きょうしゅくしながらも、喜びの微笑みを浮かべた。

その笑顔を見ていたら、紫耀の心もほんわりと暖かくなる。
平野紫耀
平野紫耀
・・・・・・いい子だなぁ、あなたちゃん。廉くんが束縛レベルで
溺愛しちゃうの分かるよ
春名あなた
春名あなた
え・・・?
永瀬廉
永瀬廉
紫耀のこの発言に、焦ったのは廉だ。

自分の気持ちを隠したい廉は、慌てて紫耀の言葉を否定する。
永瀬廉
永瀬廉
は? 溺愛?  し、してへんし
平野紫耀
平野紫耀
・・・・・・なら、 いーよね。オレがあなたちゃん好きになっても
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
対する紫耀の方は、どこまでも真剣だ。

その一瞬で部屋の中の空気が変わり、様子を見守っていた美桜と海人も厳しい表情になる。
平野紫耀
平野紫耀
ていうか、もう好きだし
春名あなた
春名あなた
え・・・・・・
あなたもまた、紫耀の突然の告白についていけなくて、目を白黒させた。

だって誰かに好きだと告白されたのは、これが生まれて初めてだったから。
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・あんた、あなたの何を知ってて、んな事言ってんねん?
平野紫耀
平野紫耀
知らないから惹かれるんだよ。あなたちゃんの事、もっと知りたいなって
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
━━まさに正論。廉は反撃の言葉を失ってしまう。
平野紫耀
平野紫耀
幼なじみにはなれないけど、彼氏にはなれるでしょ?
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
髙橋海人
髙橋海人
おい
今田美桜
今田美桜
海人
さすがにこの発言は聞き捨てならなくて、後ろで聞いていた海人が腰を浮かした。

・・・・・・が、それを美桜が止めた。

これは部外者である廉、紫耀、あなたが決着をつけなければならない話なのだ。
春名あなた
春名あなた
あ、あの・・・っ
とはいえ、あなたが現状を把握できるはずもなく。

いつの間にか口論を始めた廉と紫耀にオロオロした。
しかも原因は自分。勉強を教わっていたはずなのに、どうしてこんな話の流れに
なってしまったのか、あなたにはちんぷんかんぷんだ。
平野紫耀
平野紫耀
あなたちゃん・・・・・・一つ質問していい?
春名あなた
春名あなた
・・・はい?
さらには紫耀はあなた本人にきわどいことをズバッとたずねる。
平野紫耀
平野紫耀
ほんとは怖いんじゃないの? 廉くんのこと
春名あなた
春名あなた
・・・・・・え?
平野紫耀
平野紫耀
いつもビクビクしてるよね
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・・・・
廉は二人の会話に入り込むことが出来なかった。

いつも意地悪して、あなたを怖がらせているという自覚があったら。

もちろんあなたは言葉に詰まりながらも、必死にかばう。
春名あなた
春名あなた
そ、それは私がダメダメなので・・・っ、
廉くんに迷惑かけたくないからで・・・・・・っ
平野紫耀
平野紫耀
あなたちゃん優しすぎ
あなたの言葉を遮って、紫耀は断言する。

あなたの優しい所は魅力的だけど、その優しさが ゛あなたなら何をしても許してくれる゛
という廉の甘えになっているような気がするのだ。
平野紫耀
平野紫耀
廉くんはこじれすぎ
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
廉は悔しさで唇を噛み締めた。

だけど紫耀は決して攻め手を緩めない。

廉の手の甲をポンポンと軽く叩くと、まるで子供に言い聞かせるようにささやいた。
平野紫耀
平野紫耀
オレはあなたちゃんをゴミ扱いしないし、わざと自信失わせたりしない
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・
廉の愛し方は間違っている・・・・・・それは紫耀からのストレートな警告だった。

廉だって本当は、紫耀に言われなくても分かってる。

それでもゆかんだ愛し方を変えられない。

変える方法が分からない。

完全に紫耀に言い負かされた廉は、悔しそうに席を立ち上がった。
永瀬廉
永瀬廉
・・・・・・気分わりぃ、帰る
髙橋海人
髙橋海人
おい、廉!
廉が部屋を出ると、すぐに海人が後を追った。

その結果、部屋の中にはあなたと美桜、紫耀の3人だけが取り残される。
今田美桜
今田美桜
大丈夫だよ、あなた
春名あなた
春名あなた
・・・・・・・・・
不安そうなあなたのそばに、美桜は慌てて駆け寄る。

一方の紫耀は「じゃあ勉強再開しよっか」と、ひたすらマイペース。

美桜は紫耀のことを、キッとにらみつけた。

この男、頭もいいし、本当にあなたのことをよく見ている。

だけど今まで均衡きんこうを保ってきた幼なじみ4人の仲を
好きなように引っ掻かき回されて、腹が立たないはずがない。
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