私の家は山に続く長い道路の途中にある。お父さんが山が好きという影響でこんな場所に家が建ってしまった。
道路は全部が坂で曲がる道もある。歩きで15分、自転車で5分。登りになるとその倍はかかる
学校まで40分。普通の住宅街なら10分もあれば行けるはずなのに…
乱暴に自転車のカゴに鞄を突っ込む
ギコギコと少し古びた音が鳴る。
そして坂になると風がめいいっぱいにあたる
夏は涼しいから良いけど秋や冬になるとこれもまた地獄
そして寒さに耐え40分後に学校に着き
席替えでウキウキな気分が寒さと坂のせいで全部消え去った
校門は生徒や先生でガヤガヤしている
ここの学校は住宅街と近くてほとんどの生徒は歩きで登校している。自転車で40分死にものぐるいで登校してるのは私くらいだろう
歩くスピードを早め前で話している2人を追い抜く
よほど酷い顔をしていたのか2人は私を凄い目で見ていた。
まぁそんな事は気にせずどんどん進んでいく
風紀担当の先生に挨拶されても無愛想に返す。それを見て驚いたのかまた凄い目で見られる
自分の出席番号が書かれた靴箱を開け
上靴に履き替える
4階にある教室に向かう
ここの学校の教室の配置はおかしい、
1階が職員室や保健室等
2階が1年教室、移動教室
3階が3年教室、移動教室
4階が2年教室、移動教室
なんで、なんで2年が最上階なんだよ!!
まるで私を更に痛めつけるかのような配置…おかしいよ!!
2年3組の教室に着きドアを開ける
早く来たクラスメイト達が話している。流行りの食べ物だったりテレビの話だったり
自分の席に座り腕の中に頭をうづくめる
この3人は高校生になってから仲良くなった
りっこ こと、佐々木莉絵はバスケ部所属のツンとした性格で異性からも同性からもモテるタイプの女子。小五まで関西住みだった為少し関西弁が出る事がある
慈恵ちゃん こと松井慈恵は陸上部所属で元気な性格、皆と直ぐに仲良くなるタイプの女子
ナッちゃん こと湯山真那は美術部所属でおっとりして優しい性格、男子からの人気も高いが女子とも仲がいい勝ち組
そして私の唯一の親友&幼馴染の徳山侑愛はバレー部所属で顔も良いわ頭もいいわスポーツ万能 女子力高い(まぁ4人とも高いんですけど)そしてこのクラスの委員長でもある…モテ要素しかない女子
それに対して私、相山千空は女子力皆無で高校=青春なんて考えが一切無い恋愛とは無縁の帰宅部(部活になんぞに入ったら帰る時間がやばい事になる為)
青井智也と原野拓は学年というか学校人気だと思う。
青井君は帰宅部だけどスポーツ万能だったりクールな性格で女子の人気が凄すぎる
原野君はバスケ部で女子の対応がホストらしい、それもあってかめっちゃ女子人気
この2人と私達は同じクラス…正直嫌でしょうがない…私以外の6人が光りすぎてる
りっこの目線の先に原野君が居た
↬4話へ続く
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。