あの場所。
いつの日か、来なくなってしまったこの場所。
都会なのに、崖があって、
すごく綺麗な景色が広がっている
私の死に場所は、きっとここだ。
小さい頃からずっとそう思ってた。
ハァハァ……
私は一時の迷いもなくここに向かった。
今なら、今なら死ねる。
私は、小さい頃、幸せだった。
私には、弟がいた。弟の名前は……優だった。
名前の通り優しかったし、思いやりがある弟だった
おねえちゃん!これ、あげる!
どうしたのー?
どんぐりー!
どこでとってきたの~?凄いね!
あの崖のところ!
あそこは危ないからもう行っちゃダメ!
ご、ごめんなさい
でも、ありがとうっ!ニコッ
……うんっ!!
喧嘩なんてしなかったし、親が忙しくて
ほとんど私と優の二人が家にいる状態だった
私は親代わり。
優は私をたくさん癒してくれた
今日の本番前練習サボろ……
なんなら、死のうかな。
崖についたとき、そう思った。
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