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正直、私は人のことを信じない性格だ
人を信じない、それだけで自分の悩みが一気に消えるような気がした。
私は、子供の頃、親友だった奴に虐められた。
親も急に自分を殴ってきた。
正直、死にたいと思った。「裏切り」が怖かった。
消えたい、殺されたい、愛されない、ダレガ、アイシテクレルノ?
あぁ、そうだ、愛されないなら、
裏切りが怖いなら
愛されなくすればいい
「裏切り」が怖くならないように「裏切る人」を作らなければいい
私は、家を出て、森で見つけた空き小屋を勝手に改造して住み始めた。
だれも何も言わないのはとても快適だった。
でも
なんだか、とても心が空っぽになるんだ。
だから、心を埋めるように盗みを犯した。
それでも、やっぱり、心が埋まらなかった。
ある日、不思議な巫女に出会ったんだ。
その巫女は、妖怪に好かれている。
でも代わりに人間の客が全くこないんだ、面白い話だよな。
こんな私でもその巫女は仲良くしてくれた。
ぶっきらぼうだけど、とても優しい「アイ」をくれた。
でも私はその「アイ」を信じれなくて
その巫女を…傷つけた。
これで私を攻撃すれば…アンタは「裏切り者」だろ?
でも私がいくら傷つけようとも、弾幕を当てようとも
彼女は_私を攻撃しなかった。
彼女_巫女は言った。
「アンタはなんでそんなに人を信じないの?」と。
私は「裏切られるのが怖いから」と言った。
そしたら彼女は、「…私がアンタの「アイ」を作ってあげる、そうすれば、貴方は『裏切り』が怖くなくなるんでしょう?」
私は、「でも、それで裏切るのが人間なんだ!」と言った。
そしたら、そしたら彼女は
「それなら、私だけを信じればいい。もし誰かが貴方のことを裏切っても、全世界の人が貴方のことを裏切っても、私だけは貴方の味方をする。これが私なりの「アイ」なんだよ。」
私は彼女に泣きついた。そんなことを言ってくれるのは彼女が初めてだったから。信じる心を見せてくれたから。
私は、このとき初めて、人の優しい「アイ」に触れた。
それから数年後。
今の私は沢山の妖怪と、人間と仲良くなっている。
あの空き家で魔法店も開いた。魔法のグッズの他にもなにかを相談できるような店にもした。
もし、昔の私と同じように「アイ」がなくて困っている人がいたら助けるために。
まぁ、魔法の森にあるから誰もこないんだがw
「なーにぼーっとしてんの?ほら、また異変解決、手伝ってくれるんでしょ?」
あぁ、そうだった、今は異変解決に行こうてしていたんだった
「ぁぁ、今いくぜ、『 』」
「早く来なさい、『 』」
ありがとう、
私に『アイ』を教えてくれて。
今私は、『愛』でいっぱいだ!
これは、紅白の巫女と、白黒の魔法使いの出会いの物語。
__アイの作り方__
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!