第5話

ぶろっこりーととまと《モブ有》
490
2021/03/09 02:26
『よーへーくんとトマトクンですよね!?』
智貴と2人で動画の買い出しに行く道中、
なんとも可愛らしい女子高生に話しかけられた。
「はい、そうですよ。」
俺は返事をする。
智貴は声を掛けられたことに驚いている様子だ。
『あの...写真撮ってもらっても大丈夫ですかね??』
「ぜひ!!」
女子高生は嬉しそうに鞄からスマホを取り出した。
やっぱり緊張するのか、智貴の表情は堅かった。
『ありがとうございます!!これからも応援しています!!』
「こちらこそありがとうございます。」
嬉しそうにその場を去る女子高生に手を振る。
「智貴、緊張してたろ??」
図星だったようで、智貴は驚いた反応を示す。
「そりゃあ...あんな可愛い女の子に声を掛けられたら緊張しますよぉ。」
.

俺の中の醜い感情が顔を出すのが分かった。

.
俺は夢中になって智貴の手を引いて近くのコンビニに入る。そのままトイレに連れていった。
「ちょっ...よーへーくん??」
智貴の身体を壁に押し付けて、勢いのままに口付けをした。
「んぅ...」
智貴は驚きつつもそれを受け入れる。
俺は智貴の口内に舌を入れた。
絡ませると徐々に智貴は恍惚とした表情になる。
そして...
「痛ったぁ!!何するんすか!?」
俺は思い切り智貴の舌を噛んでやった。
「だらぶちが。」
「へ??」
「お前は俺のものなんやけど」
「もしかしてよーへーくん...妬いてます??」
今度は俺が図星だった。
智貴が異性に靡くんじゃないかと不安で、怖かったのだ。
「可愛いっすね‪w」
そう言って今度は、智貴から俺に口付けをした。
俺の口の中に、鉄の味が広がった。

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