ユンギside
あれから俺たち防彈少年團は
努力して、努力して、
一時は解散を考えた日もあったけど、
今や世界的なアイドルになった。
それでもあなたの事を忘れたことなんて
片時もなかった。
今でもたまに夢に出るくらい。
俺たち、
付き合ったのは1年もないくらいの期間なのに、
本当に好きで好きで仕方なかった
あんなに人を好きになったことなんてないし、
これからもないだろう。
だから、
病院で
彼女を見た時、
涙が出るくらい、嬉しくてたまらなかったんだ。
俺は常に冷静を装ってるけど
心の中では
本当に嬉しくて、
すぐにでも抱きつきたかった。
だけど、今や
大きなものを背負ってしまった俺に
そんな無責任なことは出来ない。
あなたは知ってるのか?
俺がBTSのメンバーであること。
そもそもアイドルなのを知ってるのだろうか。
だけどあなたと話してて気づいた。
こいつはきっと、
俺がアイドルなのを、BTSのメンバーなのを
知らないんだ。
間違いない。
俺がアイドルなのを知らないあなたに
何を言ったって
響かないだろう。
きっと、
『アイドルになるために振ったんだ』
なんて言っても、
そう言われるのは目に見えていた。
ずっと会えなかった、
大好きな女が目の前にいて、
耐えるのは難しいんだ。
触れたかった。あなたに。
なんだか今のあなたは弱々しくて、
消えてしまいそうで。
もうどこにも行って欲しくなかった。
離れたのは俺なのに。
腕を掴むと暴れるあなた。
俺は抵抗する彼女に、
無理矢理キスをした。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。