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2021/05/24

第2話

未発送の手紙
???
生まれて来れてよかった。そう思えたのは君たちのおかげ


脳内で,聞き覚えがあるような…ないような声が響く。
自分だったら絶対に言わないようなセリフと共に。


あぁ,朝がやってきてしまう…。
どうして朝が来るんだろう。どうして明日なんて来るんだろう。どうせ来るなら幸せな明日がいい。そんな叶わない夢を胸に僕は目を覚ます。陽の光が窓の外から差し込み部屋を明るく照らす。

枕元にあったスマホを取り,時間を確認しようとすると一回のリビングからガシャーンっとガラスが割れる音がした。

また,か…。

俺の母さんはうつ病を発症していて,よく朝起きて何かに取り憑かれたかのように家にあるガラスを割ったりして部屋をめちゃくちゃにする。俺には兄も父もいるけど,二人ともめんどくさがったりと何もしようとしない。だから,俺が仕方なく散らかされた部屋を片し,母をなだめる。

物音がなくなると,ゆっくりと階段を上がる音がする。ぎしぎしと床がきしむ音が近づいてくる。そんな音が部屋の前でやむとトントンと扉をノックする音が。


母さん
ねぇ,莉緒…私は…必要?私,もう死にたいな
母さん
ねぇ,莉緒私を殺してくれない?もうやなの


なんで,いつも俺の部屋の前でそうやって言うのか,俺には知らない。ただ,あの人は言いたいことを言えたらすぐにまたどこかへ行く。

いつも,俺のことなんて見てもくれないくせに…。こういう時だけ,自分の名前を呼ぶ母が俺は嫌いだ。俺が母が散らかした部屋を片しているときも「理玖いつもごめんね…ありがとう…」と,俺ではなく何もしていない兄の名前を呼び俺を見る。まるで,俺なんて存在していない。そう言っているような目で俺を見ないで欲しい。


いつか,誰かに…俺はここに存在している。俺は生きた人間であることを証明して欲しい。この家にいる限り俺は生きているのにこの世に存在しない人間扱い。生きた心地がしない。


誰にも届かないSOS…

届いていないのは自分も同じ














華月
華月
『莉緒おはよう,今日は学校行く?迎えに行こうか?』
莉緒
莉緒
『うん,行こうかな…』
華月
華月
『分かった!迎えに行くね』


小さい頃からの幼なじみで唯一自分の家の事情を知っている華月。最初,自分の家はこんな酷いんだって話した時は驚かれた。それに,話したらこいつめんどくさいやつとか思われて切り捨てられると思ってた。でも華月は不思議だと感じてしまうくらいに優しかった。


華月
華月
「莉緒は,私にどうして欲しい?」
莉緒
莉緒
「え?」
華月
華月
「私は,助けるなんて簡単じゃないから助けるよとかは言えない。大人相手に私みたいな子供が叶うわけないし,すぐに助けるなんて出来ない」
華月
華月
「出来たとして,助けるには何かを犠牲にし,莉緒を今より傷つけてしまうかもしれない」


華月はそう言った。確かに,一番欲しいものは救いの手。でもそれは子どもと大人では色々な力の格差があって不可能なのは自分でも分かっていた。だから,助けるよなんて軽い気持ちで答えてほしくないと思う,自分のわがままをまるで華月は知っていたような,完璧すぎる答えをくれたと自分では思う。

そのあと華月は…

華月
華月
「私に今できるのは,今まで通り莉緒と大切な友達であることくらいしか出来ないと思う…愚痴とか話はいつでも聞く。それでもいい?」


そうしてくれるだけで,本当にありがたくて。拒絶せず俺自身にどうして欲しいかな選択肢までくれるなんて…どうして華月はこんなにいい子なのか疑うくらい…。俺は,華月に涙を流しながらありがとうを伝えることしかできなかった。


今もこうして友達として,同情とかじゃなく普通に接してくれていることが嬉しくてたまらない。本当にありがとう…華月。















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