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『 おはようございます先生〜! 』
ここ何日も空いているグクくんの席
学校への連絡はなし
グクくんの友達伝いで欠席連絡が来る
『 あ、グク今日も休みっす 』
言い合いをした日から顔を出さなくなった
だから、職員室では
「 やっぱりあの子変わりもんなのかなぁ… 」
「 あなた先生、問題児受け持っちゃったね 」
先生の闇なんてこんなもんだ
生徒が第一なんて口だけ。
今日の仕事が終わり20:00
歩きで向かった
ピンポーン
ぶちっ
表札を見れば
『 チョンジョングク 』
なんて落ち込む暇はないんだけど…
聞こえてないかもしれないけど精一杯の大きい声を出した
私の感情を表すかの様に外には雨が降ってきた
そう言って彼の家に背を向けた
あちゃ…傘忘れた
天気雨なのか雨はどんどん強まってきていた
鞄を頭に乗せ走り出した
グイッッ
走り出す方向とは真逆に引っ張られた腕
あっという間にグクくんの胸の中にいました
私に話す隙をほとんど与えず
展開がどんどん進んでってしまう
これ…私アウトじゃないですかね?
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!