第9話

例え、この街が歪んでも【🦔】
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2023/08/29 12:45
「オッパ行ってきます!!」

『ちょっとあなた!?お弁当は!?』

「あっ忘れてた!!!」



いつも通りの朝。


ヒョンソギオッパとは恋人同士で同棲している。

私の方が遠い大学に通っているから早く家を出るけど、オッパは私より早起きしていつも美味しいお弁当を作ってくれる。

お母さんみたいで暖かい、太陽のような人。





大好きなお弁当を片手に大学へ行く。
次は第二外国語の授業。何故かアラビア語なんて取ってしまったから、選択者数がやたら少なくてだいたいアラビア語選択者は顔見知りかそれ以上だ。

「シウンおはよ!!」

「おはよあなた〜」

「リウはまだ?」

「まだみたいだね」

















ガシャン!!!!








シウンと話していると、突然大きな音がしてドアが蹴破られた。



「えっ誰......?」

「ちょシウンうるさい」




すると見覚えのある赤いトートバッグが目に入る




「なんだリウか〜」

「もーリウおどかさない....で.....え...?
シウン、これ.........」




そこに居たのはリウ

ーー否、リウ「だった」はずのもの

髪は干からび肌は緑や黒や紫が混じり、首を変な方向にひしゃげて呻きながら進んでくる。




「ゾンビ.............?」


そう咄嗟に判断した私は、走って講堂から出た

















「なに、これ..........」

そこで目にしたのは、先程までマーケティングの授業があったはずの場所いっぱいに群がるゾンビたち。

そうだ、リウもこの講義取ってたっけな。

その部屋から全速力で走って逃げた。
電車でゾンビに会うのが怖くて、誰のかも分からないような自転車を掴んで必死に漕いで家についた。

「つい、た....」


鍵を空けて中に入る。
「ただいま...」


返事は無い。


そこで気付いた。もうオッパは家を出ている時間だ。


「オッパ...もしあの喧騒の中にいたら....」


そう思って必死にカトクを入れる。
「ねえオッパ無事?」
「生きてる?」
「元気?」
「ねえ返事してよ」
「ねえ....!!!!!」

ダメだ。何通入れても既読がつかない。


電話も何度かけても繋がらない。


「オッパ......」







ピーンポーン








「オッパだ...!!!」









ガチャッ






「う....あ.........あ.............................」

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