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第5話

No.5【緋鞠未宇 編】
隣町と言っても、歩いて行ける距離なので小走りで待ち合わせ場所へと向かう。
今まではおちゃらけた感じの男の子からの指名が多かったから、今回みたいな落ち着いた人は初めてかも……
少し緊張を覚えながら約束の噴水がある駅に入る。
ええっと……たしかこの角を曲がって、少し進むと噴水があるらしいけど……
…………あ、いたいた。あの人かな。
大きな噴水の前に、黒髪の男の人がひとり、本を読んで腰掛けている。
写真を取り出して見比べてみると、うん。
たしかに今回私を指名した同い年の男性、
相園 優耶さんだった。
間違いないかな。
私は男の人に近づいた。
緋鞠 未宇
あのー、相園優耶さんですか?
そう話しかけると、男の人は少し目を見開き、私に向き直った。
相園 優耶
えっ、はい、そうですが。
……あ、もしかして
私が誰なのかなんとなく分かったようなので、笑顔で頷いた。
緋鞠 未宇
はじめまして!
レンタル彼女の緋鞠未宇です!
今日はよろしくお願いしますねー!
ぺこりと頭を下げると、相園さんも軽く会釈を返した。
相園 優耶
やっぱり、緋鞠さんでしたか!
はじめまして、相園優耶です。
こちらこそよろしくお願いします
よかった、想像通り優しそうな男の人だ。
しかし、相園さんは自己紹介をしたあと、少し困ったような顔で周りを見渡し始めた。
……もしかしなくても、予定、決めてこなかったんだろうか。
ちょっと意外だったけど、これくらいのことは想定内だ。
レンタル彼女は、そもそも女の子側がリードするものなのだから。
女の子慣れしていない男の子と楽しんでデートをするのが私たちの役目。
決して、つまらない顔はさせない。
緋鞠 未宇
あの、この近くにオシャレなカフェが出来たんですけど、行ってみませんか?
メニューも豊富らしいですので、きっと楽しめますよ!
私の提案に、相園さんは顔を明るくさせた。
相園 優耶
あっ…はい!
行きましょうか
よかった、カフェの提案を喜んでくれた。
私は頷くと、相園さんに手を差し出した。
相園さんは私を見て不思議そうな顔をしている。
相園 優耶
……えっと…?
緋鞠 未宇
カフェ、行くんでしょう?
手を繋いでいきましょう!
私は今日、あなたの彼女なんですからね!
そう言って笑うと、相園さんは戸惑いながらも手を取ってくれた。
さぁ、デート仕事の始まりだ。