「転入生が来るってマジ?」
東京都立呪術高専1年の教室に昨日までありましなかった机と椅子が1つずつ追加されているのに気付き五条悟が言った。
狭くなく広くなく、程よいいい感じの教室に規則正しく並べられた4つの机と椅子。
昨日まで3つだったのが1つ増えている時点でそういうことだろう。
「みたいだよ。悟」
五条の隣に座る夏油傑が答える。それに、加えて家入硝子が言った。
「めっちゃ美人らしいよ」
「マジ?」
「まじよりのマジ」
「さっき、その転入生を見かけたとか言う先輩がボヤいてんの聞いた」
この時期に転入してくるのは極めて珍しい。
そして、入学してから3ヶ月程がたった今だからこそ、この3人はそれなりに、仲良くなり、それなりに、楽しい生活を凄いしていた。
だが、考えて見てほしい。
ずっと同じメンバーで過ごすなんてつまらなくなり、飽きて来るっということに。
そう、彼ら3人は既に飽きて、新しい面白くなることを探していたのだ。
その時に入ってきた、転入生情報。
彼ら3人を楽しませる要因としての素質は素晴らしくあるというものだ。
「なんか、来る前とか、普通に中学生してたとか何とかだってー」
「えーなんか、つまらなそうな、貧相悪そうだと嫌なんだけどッ」
あれやこれやと3人で話、来る転入生の容姿とかなんとか色々話していると、担任である夜蛾正道に連れられ転入生がやってきた。
透き通るような白い肌に、黒髪のふんわりロングに少し巻いた髪。
スラリと伸びる手足の長さ。
第一印象は呪術師に相応しくないとても綺麗で、繊細な感じの子だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!