それから2週間後、五条と澪桜はTDLに来ていた。豪華賞品がなんとTDLの無料パスであったのだ。
「……… 始めてきたのがなんであれとなのかな、」
五条には気付かれないように悪態をつく澪桜。それもそのはずだ。
今日の朝、澪桜は五条に叩き起されたのだから。
まだ日が昇る前に扉がドンドンドンドンドンとノックいや、叩かれる音で目が覚める。
「硝子や傑と一緒なら良かったのに……」
そして、呪霊狩りの後から硝子と傑と仲良くなった澪桜。決して、五条だけを仲間はずれなどとは思っていない。
むしろ、どう相手をしていいのか分からない そんな状態である。
「っーか、 澪桜は傑や硝子といつ仲良くなったわけ?」
「え、五条が任務に行ってる間……?」
「ふーん」
呆気ない態度をとる五条を横目にため息が出るのを必死で我慢した澪桜。
それよりも、五条の頭に着いているものに目がいく。
「せっかく夢の国にいるんだから、楽しまないとだよ、!!」
そう言う五条に澪桜は太刀打ち出来ず、スポンと可愛らしい耳の着いたカチューシャを着けた、
「恥ずかしいんだけど」
そう呟く澪桜の顔は何処か楽しげでいた。
「え〜 似合ってるのに??てか、早くいこ」
「え、あっ……ありがと? 」
やはり五条の相手の仕方は分からない澪桜。だが、五条からの「似合ってる」この言葉は澪桜にとっては嬉しいものでもあった。
アトラクションやパレードも楽しむと、疲れたのかベンチに座った。
そして、2人の沈黙が続く。
それに耐えられなくなった五条が澪桜に質問をした。
それは、澪桜にとっていつかは聞かれる事であると自負していたものでもあった。
「澪桜は、なんで高専にきたわけ?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。