無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第18話

第18話
あの後は結局、教室に残された千紗に、私たちが廊下にいたことを告白した。



千紗は教室で起こったことを少しだけ話してくれた。



爽太先生はキスされる寸前で、茜ちゃんの首元に傷があることに気づいた。
千紗
千紗
前に茜ちゃんの周りで家庭内暴力の噂が流れていたことがあったでしょ
その当時は学校に親が来ているのをたまに見かけたけど、最近はもうその様子はなかった。
千紗
千紗
でも、多分それがまた再発してるんだと思う
私も、問題は解決したものだと勝手に思ってた。



なのにまた傷が見つかるなんて。



千紗は茜ちゃんのことを知ってかなり動揺していた。
千紗
千紗
明香里、私言ってなかったけど、先生のことが好きなの。だから正直、茜ちゃんが先生のそばにいるのが嫌だった。
でも、と言葉を溢して、千紗は手を固く握りしめた。
千紗
千紗
茜ちゃん、ずっと1人でつらかったよね…
そう言うと、目にあふれた涙が頰を伝った。



きっと茜ちゃんは、先生にそばにいてほしかった。



先生に甘えることで自分を保ってた。
雄哉
雄哉
それが分かってたやつなんかどこにもいねえよ、お前は悪くない。
ぶっきらぼうな言い方で慰める雄哉に、私もどこか気持ちが救われる思いがした。
千紗
千紗
ごめん、ちょっと教室に残るね、1人で考えたい。
そう言い残して、千紗は教室の扉を静かに閉めた。



私は結局何一つ気の利いたことが言えずに帰路についてしまった。



そんなしょんぼりした私に気を遣って、雄哉は必要以上に私に話しかけることはしなかった。



とぼとぼと雄哉の隣を歩いていると、誰かがそばに駆け寄ってくる気配がした。
葵
明香里
葵くんの声だ。
葵
ねえ、話したいことがあるんだけど。
……えっ、何だろう突然。



でも、今の私には他のことを考える余裕がない。
明香里
明香里
えっと…その…
歯切れの悪い返事から、葵くんは私の様子に気づいて"あっ"という顔をした。
雄哉
雄哉
わりい、葵。また今度にしてくれ。
葵
ごめん…。また、明日。
じゃ、と言って、私たちを追い越して行った。



すぐに状況を飲み込めず、家に帰って落ち着いたら、とりあえず明日葵くんから話があることを理解できた。



それがわかってから、緊張と、僅かな期待が胸に広がり始めて、夜はなかなか寝付くことができなかった。