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第20話

第20話
あいつ朝から顔ゆるゆるじゃねえか。



俺は、葵の様子をチラ見し続ける明香里を横目で見ていた。



好きな人が好きな人に向けるその目は、俺からしてみたら悔しくて切ない。



でも、なんつーか、なぜかその顔までも見ていたいと思ってしまう。



……あの2人、一体今日何の話をするつもりなんだ。



悶々と考えすぎたせいで、今日はふつーに寝不足。



お前のせいだからな、葵。



睡眠不足の恨みを込めた視線をちくっと刺すが、当然本人は気づかない。
千紗
千紗
おはよう。なに、機嫌悪いの?
急に視界に入り込んできたもんだから、思わず千紗を睨みつけてしまった。



いつもなら「びっくりさせんな」とか言って返すけど、少し腫れた千紗の目を見たら返す言葉に詰まってしまった。
千紗
千紗
気にしないで、大丈夫。
一瞬流れた気まずい空気にいち早く気づき、俺に気を使わすまいと先回りした言葉を選ぶ。
千紗
千紗
逆に今日休むと余計気まずくなるし。
雄哉
雄哉
…あんま無理すんなよ
千紗
千紗
ん、ありがと。…でも雄哉はもうちょっと無理した方がいいかもね。
そう言って、明香里の方に目配せして、そして雄哉に視線を戻した。
雄哉
雄哉
今日、葵から明香里に話があるみたいなんだけど。
千紗
千紗
えっ、それって告白じゃない?
雄哉
雄哉
俺が避けて考えてたことを一番に口にするな
千紗
千紗
ふーん。ま、後悔しないようにね。
そう言い残すと、停車駅にぴょんと降り立ち、明香里の元へ駆けつけた。



それができてたら、今こんな拗らせてねえよ。



俺は、周りに聞こえないように、はあ、と小さくため息をついた。