第5話

ー 恥ずい。ー
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2021/06/08 11:03
『友達になってください!!』













私がそう叫ぶと今まで騒いでいた廊下が


シンッと静かになった。














女1「え、なになに!告白?!」


男1「はぁ?!あのあなたちゃんからの告白かよ!」


男3「俺、あなたちゃんに告って振られたのに…… !?」


男2「くっそぉ!岩泉に負けたァァァァァ!!」


女2「廊下で告白とか勇気あるー!」


女3「返事は返事はー!?」











待て。もしかして この子達は



本当に私が告白したと思っている……??








はずい。





これは、









かなりはずい!!!
『す、すすすすすいません急に…!!』


恥ずかしくなって後ろを向くと爆笑している花巻がいた。



















思いっきり殴ってやろうと思ったけどダメだ。


岩泉君に女らしくないところを見られたら生きていけない!!


殴らない代わりに思いっきり睨みつけてやった。


周りの生徒はキャーキャーと黄色い声をあげて私達のことを見ている。


頼む…岩泉君!


頼むから無言はやめてくれぇ……!


そう思っていると


岩泉「おう、これからよろしくな」


と、私が差し出した手を握り素晴らしい笑顔で言った。
『へ、』


その笑顔はずるい!!!


岩泉君の反則な笑顔に私が悶えていると





騒がしかった廊下がさらにうるさくなった。


女4「カップル成立だぁー!」


男4「なん、だ、と……?」


男1「くっそぉー!!!!」


女5「お幸せにー!!」


勘違いしてる!!


岩泉君を見ると「何言ってんだアイツら」みたいな顔でハテナを浮かべている。


ここは私が誤解を解かないと……



松川「はいはい、違うよ。コイツらは友達になっただけ、な。」


松川くん……!救世主だ!!


女2「え、そうだったの?」


女5「えぇ〜お似合いだったのにぃー」


男1「お前ら!!まだ希望があるぞぉ!!」


男2345「よっしゃぁぁああ!!!!」






岩泉「そういや名前まだ言ってなかったな。5組の岩泉一だ。よろしくな」


『さ、3組の七瀬あなたって言います!こちらこそよろしくお願いします…!』


岩泉「敬語外そうぜ」


『……え?』


岩泉「その…せっかく友達になったんだからよ」




















か、


























可愛いぃぃ!!!!




『そ、そうだね!じゃあタメ口で喋らせてもらう!』


岩泉「おう」

花巻「あなたー。次、移動教室だぞ〜早く行こうぜ」


『あ、そっか。』


岩泉「俺も準備しねーと」


くそー、もっと話したかった……!


岩泉「またな、七瀬」


『ピッ』


岩泉「?」


『うん!ま、たね!岩泉君…!』


やば。名前呼びされて変な声出ちゃった。

とりあえず隣で肩を震わせて笑いをこらえている花巻には1発殴っておいた。


『あ、松川くん ありがとね!おかげで話せたよ!』


松川「役に立てて良かった。また困ったらいつでも俺のとこ来なよ」


『ほんと?助かる!』


キーンコーンカーンコーン


花巻「やべ、予鈴鳴った。あなた行くぞ!じゃーな松川!」


『ばいばーい!』


松川「ばいばい〜」

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