第3話

ー 惚れた理由 ー
2,921
2021/05/16 11:31
あれは3ヶ月前のこと────────



私はいつも通り家へ帰るために電車を待っていた
『(あ、電車来た)』


プシューー


うわ、今日結構混んでるな…

隅の方に行こ



アナウンス「次はー〇△駅ー」

まだ人増えるのかぁ…

そしてドアが開きゾロゾロと人が入ってくる

『(あと4駅…長いな)』

そう思っていると自分の太ももに違和感を感じた


『(……ん?人の、手?)』

人が多いから当たってるだけかな。
まぁ、仕方ないか

と、黙っていると

『っ!』

その手がどんどん上に来ているのに気がついた

『(やだやだやだやだ…痴漢…?)』

気持ち悪い…

少しだけ後ろを向くとチャラチャラとした20代くらいの男性がニヤニヤしながらこちらを見ている

『(さいあく……絶対この人だ…)』

" 助けて "

その言葉を言おうとするが怖くて声が出ない

『(誰か…!)』
?「てめぇ、何してんだ。次の駅で降りろ」
「ひっ…… 」




in駅員室

駅員「痴漢?」

「俺、やってねーよ!」

?「往生際が悪ぃな。お前以外誰がいんだよ」

「し、知らねーよ!」

『わ、私、触られました!この人が助けてくれたんです!』

「は、はー?そんな短いスカート履いてるから痴漢してくださいオーラが出てんだよ!」

『……っ』
意味わかんない…なんてそんなこと言われなきゃいけないの

?「……てめぇふざんけんなよ」

グイッ

?「こいつがどんだけ怖がってたかわかんねぇのかよっ!」

と、男性の胸ぐらを掴み殴る勢いで怒鳴る彼。

まずい。駅員さんの前で殴ったりしたら…この人が停学とかになっちゃう…!

『あ、あの!私は大丈夫ですから…手 離してください…!』

?「けどよコイツ…!」

『私のせいで、あなたを停学させたくないんです…』

?「…わかった」

駅員「はい、じゃあ君 奥の部屋で警察来るまで待ってようか」

「だから、俺やってねぇーよ!」

駅員「はいはい」





『ほ、ほんっとにありがとうございました!!』

?「おう、早く助けれなくて悪かったな」

『いえ!あの時 来てくれて本当に助かりました。ありがとうございます』

?「あとお前の制服…ウチの生徒か?」

『え、あ…はい!青葉城西です』

?「同じ学校だったんだな」

『そうみたいですね!』

?「じゃあな、気をつけて帰れよ」

『はい!ほんとにありがとうございました!』

?「おう」



























『って事があったの!もうこれは惚れちゃうじゃん?』

花「あー、流石岩泉ってとこだな」

『でしょでしょでしょ!?もー、イケメンすぎて無理…』

花「でもさ それだけの会話で告りに行こうとしてたんだろ?」

『え?』

花「名前も知られてねーのに告白してOK出されるわけねぇじゃん」


「良かったな、告んねーで」とカフェオレをストローで飲む花巻。


『確かにそうだ』

花「え、分かってなかった感じ?」

『え、うん』

おい、花巻。マジかよこいつみたいな顔で見るな。


よし、じゃあまずは公認してもらわなくちゃ

『私、岩泉くんと友達になる!』

花「おー、まぁ頑張れ」

『行ってきマース!』

花「は?おい、今からかよ!」

私は教室を出て岩泉くんのクラスに直行した。

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