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第24話

ウソつきな先輩


​───あっという間に月末。

気づけば今日が最後の登校日だった。

考えはまとまらないまま、時間だけが過ぎていく。

私は先輩への一方通行な思いを持て余し
学校の荷物をまとめ始めた。
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
まーこと!
椎名まこと
椎名まこと
何?
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
何って冷たいな~…
今日が最後の登校日でしょ?
椎名まこと
椎名まこと
そうだけど
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
ばいばい!
笑顔ですんなりと別れを告げるほのか。
椎名まこと
椎名まこと
初めから
ほのかは友達じゃ
なかったんだね
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
え?
椎名まこと
椎名まこと
ほのかが流した噂とか
裏で私を陥れようとしたこと
本当は全部疑いたくなかった
椎名まこと
椎名まこと
だって大事な友達だと
思ってたから
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
なによそれ… 
ほのかが持ってないもの
全部持ってるくせに…

かすかに聞こえた言葉を無視して
私は話を続けた。
椎名まこと
椎名まこと
もうこんなこと、やめなよ
ほのかの周りにいる子たちって
本当の友達かな?
椎名まこと
椎名まこと
このままじゃ
どんどん離れてっちゃうよ
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
まことにはほのかの
気持ちなんか分かんない
椎名まこと
椎名まこと
分からないよ
だって別の人間だもん
でも、別々の人間だからこそ
ちゃんと向き合わなきゃ
いけないでしょ
瀬尾ほのか
瀬尾ほのか
お節介のお人好し!!
そんなだから先輩にだって
裏切られちゃうんだよ!
椎名まこと
椎名まこと
え…?

声を荒げるところなんてはじめて見た。

ほのかはキッと私を睨むとそのまま
走り去っていった。

クラスメイトはひそひそとほのかの悪口を言ってる。
ほのかには本当の友達はいないんだ……。


するとポコンとスマホが鳴った。
***
大雅
今すぐ来い
***

思わず既読状態にしてしまって
頭が真っ白になる。
椎名まこと
椎名まこと
(先輩…?今さらどうして…)


「二度と俺に関わるな」

そう言ったのは先輩なのに……。
楠木大雅
楠木大雅
すぐ来いって言っただろ
椎名まこと
椎名まこと
え!?
突然後ろで先輩の声が聞こえて、慌てて振り返る。
楠木大雅
楠木大雅
来い
ぎゅっと手を掴んだ先輩は、そのまま私を引っ張る。
椎名まこと
椎名まこと
ど、どうして!?
楠木大雅
楠木大雅
……
何も言わずに先輩は
いつもの裏階段へと私を引っ張っていった。



​───誰もいない裏階段。
楠木大雅
楠木大雅
転校するって聞いた

私の手を握ったまま先輩は
なぜか悲しそうな顔でそう言った。
椎名まこと
椎名まこと
先輩にはもう
関係ないはずです

これ以上ここにいたら
ずっと言わずにいた言葉が零れ落ちそう。

私は先輩の手を振り払い
その場から逃げようとした。
楠木大雅
楠木大雅
まて!!

先輩は焦ったように私の腕を引き
とっさに壁に押し付ける。
楠木大雅
楠木大雅
行くな
椎名まこと
椎名まこと
……ん!

先輩の影が私の顔にかかり、そのまま唇を奪われる。
まるで自分の気持ちを押し付けるような強引なキス。
楠木大雅
楠木大雅
……っ!?

思考停止している私から
先輩は飛び退くように離れた。
楠木大雅
楠木大雅
これは、その、えっと…悪い
申し訳無さそうな顔で目をそらす先輩。
椎名まこと
椎名まこと
い、今
キスしました?
楠木大雅
楠木大雅
いや、その、違う!!
違わねえけど…
椎名まこと
椎名まこと
俺に二度と関わるな
とか言ってたくせに!
楠木大雅
楠木大雅
それはそうだけど、でも!
転校するって聞いて……そう!
それで一回くらいキスして
おかねえともったいねえじゃん?

目を泳がせながら
頑張ってクズ発言を絞り出しす先輩。

それがあまりにもおかしくて​──。
椎名まこと
椎名まこと
ぷっ!!あはは!!
下手くそですね
楠木大雅
楠木大雅
下手くそって、キスが?
なぜかショックを受けたように
固まった先輩がもっとおかしくて笑いが止まらない。
椎名まこと
椎名まこと
あははは…違います!
先輩のウソが下手くそなんですよ
もう気づいてますよ
あの日言ったこと
全部ウソだったんですよね?
楠木大雅
楠木大雅
ウソじゃねえ…
椎名まこと
椎名まこと
先輩いつもウソつく時
目をそらしてるんです
楠木大雅
楠木大雅
違う!
椎名まこと
椎名まこと
もういいです
私に酷いこと言ったのは
許してあげます
でももう私を守って
くれなくても大丈夫です
楠木大雅
楠木大雅
守ってなんかねえし

そう言ってもなお目をそらし続ける先輩に
ずっと隠していた気持ちが込み上げてくる。
椎名まこと
椎名まこと
あんなキスされたら
先輩のこと忘れられなく
なっちゃうじゃないですかっ!
私は勢いよく先輩に抱きついた。
楠木大雅
楠木大雅
し、しーな!?

もうこの気持ちは止められない​───。
椎名まこと
椎名まこと
クズだけど、本当は優しい先輩が
ずっと好きでした…!