『あなたちゃん ……… どうして 、』
「どうしてって 、飛貴くんが好きだからだよ ?」
あなたちゃんは俺の頬を撫でるように触った 。
「好きだから 、、、」
" 殺したくなるの "
ニヤリと笑うあなたちゃんを見ると 、背中に悪寒が走る 。
「瑞稀 、捕まえてくれてありがとね」
瑞「いや 、別に 。俺もやりたかったから」
『あっ 、、、 !!』
瑞「こんにちは 、姉ちゃんの彼氏さん ?」
その人は俺を襲った人だった 。
瑞「俺さ 、人を殺すの初めてなんだ 笑」
『瑞稀 、ずっと楽しみにしてたもんね 笑』
…………… 何この姉弟 。
なんでこんなに怖いことを笑顔で話せるのか 。
『もしかして ………… サイコパス ?』
「ふふ 、半分正解ね」
『え 、半分 ?』
瑞「俺ら姉弟は 、」
「「バンバイアの子孫」」
『ば 、バンバイア ……… 』
バンバイアなんて 、本とか漫画だけのものだと思ってた 。
まさか 、ほんとにいるなんて 。
「私ね 、好きな人ほど殺して血を吸いたくなるの」
『っ 、あなたちゃんやめて !』
「黙ってて 。そうじゃないと 、危ないよ ?」
口の端から八重歯らしきものを覗かせたあなたちゃんはゆっくりと俺に近づいてくる 。
『やめ 、あなたちゃっ 、やだっ !!』
「飛貴くん 、何言ってるの ?飛貴くんの血を吸ったら 、私と飛貴くんはひとつになれるんだよ ?」
そう言うあなたちゃんの目は赤く光っている 。
『あなたちゃん …… やめて 、、、』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。