壱馬side
アユが後ろから抱きついてきて全部気持ち言ってくれて良かった。
アユはその後も俺に抱きついたまま離れなくて、ずっとごめんって謝ってた
なんで謝んだよ。別に悪いことしてねーだろ?
謝んの、俺の方だし。
でもごめん!って言うから、それ以上ごめんって言ったらこしょばすって言ったら言わなくなった。
アユは謝んなくていんだよ。
あゆはなんも悪くない。
アユはひとりじゃないんだからって言うように彼女の頭を優しく撫でた。
そーすれば嬉しそうに見上げてきて、
「ありがとう!」って言った。
「なんのありがとう?」って聞けば
「秘密!」って言うし、ほんとなんなんだよ。
さっきまで泣いてたくせにこんな可愛い顔して笑うとか反則
壱馬「そー言えば約束守んなかったから罰ゲームな?」
アユ「へ?」
壱馬「家と反対方向歩いて行こうとしたよな?」
アユ「それは、」
壱馬「それは?」
アユ「その、」
壱馬「…」
アユ「えと、かずまく…?」
壱馬「…ギュッ」
アユ「…?」
壱馬「約束破った罰…」
アユ「これが?」
壱馬「これじゃ足りへん?ニヤ」
アユ「いやいや!足りてる!!!!」
壱馬「あっそ…」
アユ「壱馬くん!」
壱馬「ん?」
アユ「ありがと!」
壱馬「うん。」
とりま、一件落着!ってことで!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。