…
見慣れない天井。
知らない人の声。
?「川村さん!分かりますか?」
そー言って俺に声をかける女の人。
『…はい…。』
?「ここどこだか分かりますか?」
『病院…?』
?「そーです。おうちで意識を失っているところを発見されて運ばれてきました。」
『意識?失ってた…』
?「はい。最近、ご飯とか睡眠とかちゃんととってなかったことが原因と思われます。過度のストレスです。身体、大切になさってください。」
看護師の人はそー言って部屋から出ていった。
俺、倒れてたのか…
って思ってたら病室の扉が開き迷わずこっちへと来たのは、おれの俺の母親だった。
俺の隣まで来たかと思えば、右の頬にじーんっとした痛みが走る…
え…
母「自分の体を…もっと大切にしなさい…!」
涙をこらえながら俺にそー言った。
『…ッ』
母「あゆさん、、心配するでしょ…それに、あなたには優輝がいるでしょ!何やってるの…。しっかりしなさい!壱馬…!」
いつの間にか俺の頬を伝う涙…
俺、何やってんだよ。
あゆが言ってたこと何も出来てねーじゃん!
優輝のことも、ちゃんと育てるって約束したんだよ!
『…グスン、何やってんだよ…バカだなぁ…ハハ…ッカーさん…ごめん、、』
母「私に謝らないで、あゆさんに謝りなさい!」
『…グスン、、あゆ…ほんとにッごめん…。』
あゆが居なくなって何も見えてなかった。
何も見てなかった。
自分だけがこんなに辛いんだって思ってた。
あゆが亡くなる前に言ってたこと、何一つできてなくて、こーやって母に言われて気づくなんて、バカバカしいな…
でも、
もう、終わりにする…、
ちゃんと、あゆと約束したことやるよ
あゆ、ごめん。
そー言って涙を拭った…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。