第16話

けんけんと…
231
2018/12/12 13:27
日曜日の朝…

枕元にある携帯の呼び出し音で目が覚めた。
みずき
…はい、もしもし
三宅健
あー!みずき、おはよう😊
もしかして、まだ寝てた?
電話の相手は、けんけんだった…
みずき
うーん、けんけん…
おはよう❗️
三宅健
みずき、今日、何か予定ある?
みずき
ないけど…
どうしたの?
三宅健
なら、出かけようぜ!
みずき
えっ?
三宅健
今さ、みずきの家の近くのカフェに居るんだ。待ってるからな
みずき
ちょっと…けんけん
三宅健
来る時、気をつけて来いよ!
そう言って一方的に電話は切れた…
みずき
もう…一方的に切るなんて…
そうだ…けんけんは、昔からそうだった…断れない状況。
私は、出掛ける支度をして、けんけんの待つカフェへと急いだ。

けんけんは私の姿を見つけると

三宅健
みずき〜😊
こっちこっち〜😊
子供のような笑顔で、私を呼んだ。
けんけんの、この子供のような笑顔を見ると安心する…
みずき
待った?って言うか、相変わらず急だよね!
三宅健
ごめんごめん🙏
用事あって、近くまで来て、みずきの家の近くだって思って電話した。
そう言って、やっぱり子供のような笑顔を私に向ける。
みずき
けんけん、ありがとう😊
三宅健
何が?
みずき
優しいところ変わらないね〜😊
それと、その子供みたいな笑顔…
三宅健
みずき、これからどうしょうか?
みずき
えっ?出掛けるって言ってなかった?
三宅健
あー!そうだった。
で、みずきは、何処行きたい?
みずき
私の行きたいところじゃなくて、けんけん行きたいところあったんじゃないの?
三宅健
俺よりも今日は、みずきの行きたいところ行こう!
こんなところも昔のまんま…

学生の頃…

私は、バトミントンをしてた。試合に出場して負けて落ち込んで浮上してない時も、けんけんは今と同じように私を誘って、みずきの行きたいところ行こう!って…

みずき
けんけんって、永遠の子供だよね😊
とりあえず出ようよ。
けんけんは、自殺未遂の事も彼の事にも触れずいてくれた。
何も知らない振りを貫いてくれてる。

けんけん、本当にありがとう😊

みずき
けんけん、心配かけて、ごめん🙏
私さ…
三宅健
みずき〜何で、そんな暗い顔してんだよ…じゃ今日は、遊園地でも行くか(^^)
目一杯遊ぼ!
けんけんside…

俺は、みずきの心の傷を、どうしたら癒してやれるのか悩んだ。でも、結局は何をしてやって良いか解らないままに、みずきを誘った。

会ってない間にあった出来事を思うと何て言葉をかけて良いか解らない。
慰めの言葉をかけたところで、みずきは、心を頑なにして心を閉ざしてしまう…そんな姿は見たくない。だったら昔のまんまで居るのが一番良いと思う。

いつか必ず…本当の笑顔が戻って欲しい…そう思った。

プリ小説オーディオドラマ