森田剛
ごめんな。当直なのに…
井ノ原快彦
あー良いよ。で…大事な話って?
森田剛
うーん、みずきの事なんだけど…
井ノ原快彦
みずきの事?
森田剛
今日、あいつ襲われかけた。
ストーカー的な男に…
井ノ原快彦
えっ?どう言う事…
俺は全てを話した。
井ノ原快彦
そっか…みずきは俺に会いたいなんて思わないよなぁ。まだ犯人だって逮捕出来ていない。みずきは警察に不信感持ってるし…でも、大丈夫。俺が守るから。守ってみせる。どんな事してでも。
森田剛
みずき大丈夫かな?
ちょっと心配だけど。
井ノ原快彦
心の傷は消えない。結婚しようと思っていた彼だったし…みずきの気持ち考えると辛い。
森田剛
お前、もしかしてまだ、みずきの事…
井ノ原快彦
あー!
森田剛
そっか…わかった。
今日の事は、みんなにも一応話しておくから。
井ノ原快彦
わかった。
俺は、2人の気持ちを考えると辛かった。学生の頃、お互い好きだったのに、気持ち伝える事も無く…
そんな2人が今…全く違う方に気持ちが変わってしまった。井ノ原の気持ちは変わってないのに…
こんな形で…辛すぎる。
そんな事を考えながら家に帰った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。