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第24話

<第二章>-7
350
2018/11/30 05:32
最初は講義から、ということで、テーブルにノートを広げた二人に、杉本が部長らしくレクチャーを開始した。
杉本一
杉本一
カメラの歴史は非常に古い。紀元前に、壁に穴が開いただけの暗い部屋から始まった
と『写真の歴史』という資料を広げて見せる。
 一緒に聞いていた伊集院が
伊集院薫
伊集院薫
そこから!?
と口を挟むが、隣に座った多田と日向子は黙って聞いているので、杉本は構わずに続けた。
杉本一
杉本一
そして1839年、フランスのダゲールが発表したカメラが、世界で初めて発売……
我慢出来ず、伊集院が遮った。
伊集院薫
伊集院薫
次行こう! 光良!
続いて、一眼レフカメラを持った多田が説明を始めた。
多田光良
多田光良
カメラを扱うにあたって覚えておくことは、F値、シャッター速度、ISO感度、あとホワイトバランスです
アレクが真剣にメモを取る横で、テレサは訳がわからず、きょとんとしている。
伊集院薫
伊集院薫
それ、いきなり難しすぎね!?
再びダメ出しをする伊集院に、
多田光良
多田光良
そうか……?
と多田が返すと、
伊集院薫
伊集院薫
まずは楽しく、じゃんじゃん撮ろうぜ!
と明るく提案してきて、アレクも珍しく伊集院に賛成するように呟いた。
アレク
アレク
学問なき経験は、経験なき学問に勝る、と言いますし
日向子が感心して「ええ」と頷き、テレサもさすがアレクと思い、「はい!」と返事をする。
多田光良
多田光良
そうだな。だったら、ピン先輩、あれがいいんじゃないですか?
そう言って多田が杉本を見ると、「うむ」と杉本も同意して、部室の金庫からコンパクトデジタルカメラを取り出し、テレサとアレクに一台ずつ貸し与えて言った。
杉本一
杉本一
ということで、諸君! これから写真部伝統の、あれを実施するーっ!!
テレサとアレクは「あれ?」と顔を見合わせた。