『ごめん遅れた』
松村 「何となく予想してた」
『いくぞ!!』
松村 「おまえさ、」
『ん?』
松村 「健人と住むって考えはなかったの?」
『んー、報道されても困るし?』
松村 「住もうとか言われなかったの?」
『まっっっったく』
松村 「はぁ〜……」
『どうしたのため息なんかついて』
松村 「あいつずーっと俺にあなたと住みたい住みたいってうるさかったのに」
『えっ』
松村 「健人から連絡来てないの?」
『んー…』
そう言ってスマホを確認すると
大量のLINEがあった。
『え”っ』
松村 「すげーな…」
『びっくりしたわ』
松村 「なんて言ってた?」
『え、物件探し待って俺も探したい俺もう少しで契約切れそうだったから誰といるの』
松村 「よく一息で言えたな」
『そっちかい』
松村 「え、(笑)」
『ごめん、電話していい?』
松村 「どうぞ(笑)」
『あ、怖いからここにいて?』
松村 「え、」
そして電話をかけると彼はすぐに出た。
中島 「もう家契約しちゃった?」
「いやまだこれから始めようかと…」
中島 「よかった…誰かといるよね?」
「ほくちょ」
中島 「なら良かった」
松村 「ならってなんだよならって」
中島 「あなた取られるか心配する必要が無い(笑)」
「結局どうすればいいの?」
中島 「あなた」
「ん?」
中島 「俺と住もう」
「…え?!」
「同棲しよう」
「どうするの、今まで報道陣とか避ける為にそういうの避け続けてきたのに!!」
中島 「近いうちに言おうって話そうとしてたから」
「でも…」
中島 「大丈夫、俺が守る」
「…んっ」
中島 「俺今家だから荷物まとめてくる?」
「いくっ」
そう言って電話を切ると北斗は
気をつかってくれたのか、
松村 「じゃ、俺髙地と会う約束してるから」
『ありがとう!』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!