第12話

ただ、泣いた君の
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2018/10/12 23:26
学校に行くその足は、重たくて、

いつもなら喜んでいるはずなのに、悲しくて、
しんに会いたい
この気持ちが大きいような、でもひろにも会いたくて
與真司郎
與真司郎
ごめん
腕を引っ張られて、振り向いた視線の先には、しんがいた
申し訳なさそうに、悲しい顔だった。
新島都
新島都
……。だから恋なんかしないの……。
與真司郎
與真司郎
新島都
新島都
怖いから、また前みたいになるから、嫌なの……。
真司郎side
都は俺とのことがきっかけで、恋をしないんだ。
そんなこと初めて知ったものだから、戸惑ってしまった。
彼女を追い込んで、冷血にしたのは、俺
與真司郎
與真司郎
ごめん……、やっぱり、無理なのかな?俺は、都を追い込んでるよな。
新島都
新島都
いつも自分を追い込むのが、しんの悪いくせだよ。
與真司郎
與真司郎
俺、忘れてなんかいなかったよ?でも
新島都
新島都
もう、言い訳なんか聞きたくない……。
悲しいなんて俺が思っていいのか、嫌だなんて言う資格あるのか
與真司郎
與真司郎
ずっと好きだから。
俺はそう言い残して、




その場をあとにした。







そして別れる直前、都を抱き寄せた。
都side
抱き締められたのに、受け入れてしまったのは




そういう感情があったからなのかもしれない。







嬉しかった。

すごく温かかった。

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