学校に行くその足は、重たくて、
いつもなら喜んでいるはずなのに、悲しくて、
しんに会いたい
この気持ちが大きいような、でもひろにも会いたくて
腕を引っ張られて、振り向いた視線の先には、しんがいた
申し訳なさそうに、悲しい顔だった。
真司郎side
都は俺とのことがきっかけで、恋をしないんだ。
そんなこと初めて知ったものだから、戸惑ってしまった。
彼女を追い込んで、冷血にしたのは、俺
悲しいなんて俺が思っていいのか、嫌だなんて言う資格あるのか
俺はそう言い残して、
その場をあとにした。
そして別れる直前、都を抱き寄せた。
都side
抱き締められたのに、受け入れてしまったのは
そういう感情があったからなのかもしれない。
嬉しかった。
すごく温かかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。