第18話

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2018/06/12 08:03
そして捜索を初めて2時間くらいたった時、崩れてばらばらに散らばった家の瓦や柱、家具を次々とどかしてみると、見覚えのあるものがあった。






紫色のそれを手に取ると、これは間違いないって確信した。


















「あなたちゃんのバッグや…」


















あなたちゃんがよく肩から下げてた小さな紫色のバッグ。





兄の崇裕から貰ったって喜んでたものや。


















「…っあかん、泣くな!」
















思わず泣きそうになってしまいそうな目元を抑えて空を見上げる。









雲が立ち込めていて、今にも降り出しそうな、そんな天気。














ひと呼吸おいて、もっかい探そうと動き始めた時、近くから小さく小さく、ガシャ、と音が聞こえた。

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