ガリガリだよ…ほんとに。
それでもそんな農家の生活を続けて数年たったからな。
昔よりも筋肉質になってる気がした。
痩せた、という言葉が嫌いな兄は自分の腕を見ながら「これでも割と筋肉ついたと思ったのにな〜」と少しばかり落ち込みを見せている。
「体重は?」
「56やったで、朝測ったら」
56キロ!?
私より10センチ近く高いのに56キロって…
「やっぱり痩せすぎや」
「なんや?心配してくれてんのか?(笑)」
「妹なんやから当たり前やろ!」
つい声を大きくしてしまうのはきっと兄を失うことへの恐怖から。
兄がいなくなったら私はきっと、生きていけない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。