第2話

プロローグ 2
701
2018/06/05 10:42










「ははは、せやな、髪の毛ぐちゃんやけどな(笑)」













そう言ってぐちゃぐちゃの髪を手ぐしで大雑把になおすのは、兄の濵田崇裕。



一通り私の髪にお兄ちゃんの指が通ると、元より細い糸目を更に細くさせて笑いかけ











「ほれ、可愛なったで。女の子は髪の毛さらさらが1番やからなぁ〜」











と言った。











「…なんじゃそら(笑)ほんまお兄ちゃんシスコンやな」









と照れ隠しで言ってしまう。






そういう私こそ、昔からお兄ちゃん大好きなブラコンだと言うのに。






お兄ちゃんは「せやな(笑)」と笑って私を引っ張ってその場に立たせると












「ご飯できてるから。降りて食べよ、な?」











と優しくそう言った。







































…私はこの時のこと、よく覚えてる。
























忘れるはずない、忘れられない。























この日の会話の一言一句を。






この日の兄の表情を。





















そしてこの日の大雨も。





























一生忘れることはないだろう。

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