あはは、と笑う濵田さんを再び見ると、やっぱり楽しそうや。
「すみません、濵田さん。」
「いえ、この子達といるとめっちゃ楽しくて…。」
そうですか、と相槌をうち、スっと彼女の手元に差し出した身分証。
それを見た彼女は「…?」と謎そうな顔をしてたけど、すぐに自分のものやって分かったみたいやった。
「これ…」
「濵田さんがこれを持ってたから、名前が特定できたんですよ。」
ありがとうございます、と小さな声で受け取られた身分証をじっと見つめている。
そしてぽつりと
「家族関係なんかはやっぱり書いてないんですね…」
と呟いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。