お母さんの光と闇の行動が何か分かったあたしは、
距離を詰める為に走る。
接近戦に持ち込まれれば、
確実に回避できない距離だ。
あたしの思惑通りに魔法が放たれる。
きっとこの二人でも、あたしが
これを完全に回避するとは思わないはずだから。
この魔法のパターンは、
昔にお母さんから既に教わっている。
回避するなんて、容易い事だ。
「光闇」が放つ、雨のように
降ってくる魔弾を、次々と回避する。
分かっているかのように、平然とした感じで。
目と身体が、いつも以上に
はっきりと機能している。
あたしも、少しは成長出来たかな?
少しくらい、精神的ダメージは与えてるはずだ。
状況的に、あたしが優勢って感じがする。
でもそんな時、前に感じたノイズがあたしを襲う。
「決戦」という、今の目的を
果たそうとする時の出来事。
そんな時に、これを対処するなんて無理に等しい。
でも、あたしはこの時
まだ、気づかなかったんだ。
自分の知らない、秘めたる力が目覚めるって事に。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。