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第19話

「時を司る御子」
エスト
エスト
くぅっ…!まだ…諦めたく…ない!
頭が痛くて、抗うことしか出来ない。

こんな状況で、対応するなんて無謀すぎる。
未玖(光)
エストロニア?貴方はそれでいいの?
エスト
エスト
どういう…こと!?
未玖(闇)
このまま何も出来なければ、私達は
貴方を全力で叩き潰しに行くだけ…
貴方の負けは確定事項になるわよ?
エスト
エスト
そんな事分かってるよ!
元から、二人には
勝てないって知ってる!
でもあたしは…負けたくないんだ…
大切な人を守り、超えるまで!
目が焔のような感覚で
満たされてて、物凄く熱い。
頭はさっきから、ずっと雷に
撃たれているくらい痛い。

けど、この時にあたしは確信する。


こんな絶望を乗り越えたら、
あたしはもっと成長出来るんだって。
未玖
…エストロニア。前に
うちが言ったこと…覚えてるかな?
エスト
エスト
それって、あたしが
「時を司る者」になった時の話?
未玖
そうそう♪それだよ!
〜回想〜
これは、あたしが
「月詠未玖」を探す前の話。


「時を司る者」として、目覚めた時の話だ。


つまり、マエルと出会う少し前に遡る。

あたしは、未玖姉から使命を告げられた。


あたしの役目は、未玖姉とは少し違う。
「時を司る者」としての使命だ。



「時を司る者」としての活動を始める、
前日くらいの事。



あたしは、未玖姉に呼び出されてたんだ。
エスト
エスト
未玖姉…話って?
未玖
最後の使命を伝えようと思うの。
まあ…アドバイスって感じだけどね♪
エスト
エスト
最後の…使命…?
未玖
うちが教えた魔法、分かるでしょ?
あの魔法には一定のパターンがあるの。
それを読み切れば…
今は回避出来なくても、
いつかは完璧になれるの。
エスト
エスト
そうなんだ…あれの回避、
まだ全然分かんないし、自信ないなぁ…
あたし、読み切れるようになるかな?
未玖
大丈夫だよ♪
エストロニアなら出来るから!
あの魔法は、特定の
詠唱がないと成立しない。
それは前教えたでしょ?
エスト
エスト
そうだね…
あの教え、凄く効果あるよ?
練習してて、なんとなく分かったんだ。
未玖
ふふ♪じゃあ、エストロニア。
あの魔法の真実、教えてあげる。
エスト
エスト
えっ…?あの魔法の、真実…?
未玖
あの魔法は詠唱がないと成立しない。
詠唱が分かれば、発動の瞬間が分かる。
パターンを知れば、回避ができる。
パターンを知るって事は、
詠唱を理解する…って事だよ?
エスト
エスト
それって…!
未玖
「天空の奇想曲」。
あの魔法は、貴方やうちが
「時を司る」からこその魔法なの。
あの魔法の詠唱に気づいた時点で、
貴方はもっと強くなれるの。
エスト
エスト
あれの詠唱に気づけば、
あたしでも…更に、強くなれるの?
未玖
そう♪もし、エストロニア自身が、
あの魔法の詠唱を理解できれば。
その時が、貴方が
御子として目覚める時だよ♪
エスト
エスト
…御子として…目覚める…?
「時を司る者」が、
「時を司る御子」として目覚める。


未玖姉は、そんな事を言っていた。


この時のあたしからしたら、
ただの冗談でしかない。


けど、今は違う。
話は戻り、お母さんが伝えたい話に戻る。
未玖
天空の奇想曲…
詠唱で気づいたみたいだね?
エスト
エスト
お母さんから教えられてたし、
回避は出来るよ…
未玖
御子は今、昂りを待ってるんだよ…!
貴方はそれに負けちゃダメ。
それを跳ね返して、立ち上がるの。
「時を司る御子」として、目覚めるの!
エスト
エスト
…っ!はぁ…っ…はぁ…っ!
頭がクラクラする。物凄く痛い。


目が、焔のように熱い。


身体と頭が、雷のような衝撃で満たされてる。



でも、あたしは…諦めたくない!
エスト
エスト
あたしは逃げないって誓った!
マエルを危険な目に、
遭わせないためにも!
今ここで負けてたら…
ここまで来た意味なんかないよ!
あたしは今、完全に吹っ切れた。


頭、目、そして身体。
その全ての衝撃を覆し、もう一度前を見る。


感覚が、今までとは全然違う。
エスト
エスト
お母さん、ありがとう…!
あたしに教えてくれてた、最後の使命。
それって、これの事なんだね…!
未玖
そう…それでこそ、うちの知る
エストロニアだよ♪
あたしは、「時を司る者」だ。


今までずっと、お母さんである
「月詠未玖」を見続けてきた。


そして今、最後の使命を
完全に自分のものとした。



今からは、あたしは
「時を司る者」なんかじゃない。




あたしは、「時を司る御子」。


それが、あたしの本当の使命だ!