「未玖姉」もとい、お母さんと和解したあたし。
今まで、何のためにお母さんを探し続けてきたのか。
未玖姉自身の気持ちを知りたい。
会って、色んな話がしたい。
聞きたい事が山ほどあるんだから、
未玖姉に問いかけたい。
こんな感じで、目的をなんとなく思い出した。
そう言って、あたしは
お母さんとマエルの元を離れた。
正直に言うと凄く怖いし、逃げたい。
お母さんの「光闇」の強さはよく知ってる。
あたしなんかが到底敵う相手じゃないのも、
もちろん知っている。
けど、お母さんの「闇」の部分が見せた、
あの時の誓いは嘘じゃない。
辛そうな表情である事も見てとれた。
だから、あたしが逃げちゃダメだ!
「光闇」から意外な称賛を受けていたあたし。
やっぱり未玖姉がお母さんって気づいた以上、
褒められるのも無理ないし…
未玖姉の言う「闇ちゃん」から、
とんでもない宣戦布告が来た。
俗に言う「ビッグマウス」なのかな?
「闇ちゃん」の宣戦布告に対して、
あたしは挑発する。
未玖姉の側にいた、あたしだから分かる事。
未玖姉は、あたしの想像より凄い人。
「時を司る神」は、物凄く偉大な人。
あたしの眼に、焔の様な感覚が走る。
身体が雷に撃たれたかのように、
強い衝撃で満たされる。
あたしの新しい目的「光闇との決戦」が、
この瞬間に、始まりを告げた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!