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第23話

ありがとう
今、あたしはお母さんと共にいる。


本当は会うはずのなかった、お母さんと。


今の時間でお母さんと過して、
何日がたっただろう。

あたしには、全然分からない。


けれど、これだけは分かっていた。
エスト
エスト
マエル。あたしは強くなるよ。
いつかきっと、アンタを守る。
あたしは生きてみせるから。
だから、アンタも…生きて。
あたしのはっきりとした使命は、
大切な人であるマエル・ログランディを守る事。

だからもう一度、会いに行くんだ。
未玖
エストロニアー!行くよー!
エスト
エスト
あ、うん!
お母さんの手を握り、あたしは元の場所に戻る。

昔のあたしと、昔のお母さんでは
有り得なかった事だ。
そして、10分後。
疲れが出ている訳では無いが、
あたしはその場に倒れ込んだ。
エスト
エスト
お母さん…あたし、今までより
いい経験してるかな?
未玖
もっちろん♪
だって、「時を司る御子」だから!
エスト
エスト
うん…そうだね。
その事実を聞いて、ちょっとだけ嬉しくなった。

起き上がったその直後に、
あたしは再びお母さんの手を握る。
未玖
んー?どうしたの〜?
エスト
エスト
あたしはずっと探してたんだ。
なんであの時、お母さんが
居なくなったのか。
そして、何故…あの時に、
あたしの住む世界が滅びたのか。
その時は、「時間停止」なんて
有り得ないと思っていた。

普通の人なら、ここで生きるなんて
無理だし、どうしようもない。
だけど…お母さんは秘術も活用して、
あたしを生かしてくれた。

今じゃ、復讐とか…
そんな事を考えてた自分が
ちょっと許せない感じがする。

でも、お母さんは気にしなかった。
あたしを子孫として…
一人の子供として支えてくれた。

だから、言うね…
ありがとう、お母さん…!
「ありがとう」って、言ってみる。
あたし自身の思いを、はっきりと言ってみる。


お母さんの思惑とかを知る為に
始めた旅のはずなのに、
いつの間にか目的が変わっている。

けれど、お母さんを探す旅は
あたしを大きく成長させてくれた。

「時を司る御子」として目覚める事も出来た。

だからこそ、言いたいのかもしれない。
未玖
うん…ありがとう、エストロニア♪
でもね…うちも、本当は
びっくりしてたの。

実を言うとね…
あの時に「時間停止」を
引き起こしたのはうちじゃないから。

うちにも、何故起きたのかは
全然分からないんだ。

普通だったら、言う通りになる。
生きる保証なんかない。
何もかもが静止してるからね…

だから、うちは共に
エストロニアと生きる事を選んだの。
あの時に光ちゃんを使ったのも、
それが理由かな…


この世界での最初に近い目的は、
光ちゃんと闇ちゃんとの決戦。
正直、不利な状況だったよね…

だけど、エストロニアは
うちの想像以上に凄くなった。
御子として覚醒して、
最終的には圧倒してみせたんだから…


エストロニア…

いや、ツキヨミ・エストロニア。



大変かもしれないけど…
貴方に一つ言うべきことがある。



「月詠」の後継者、任せてもいいかな?
エスト
エスト
そうだったんだ…
うん、分かったよ。
正直、不安でしかないけどさ…
あたしらしく、楽にやってみる!
だから安心してね…未玖お母さん。
お互いに、自分の思いをはっきりと言う。


それだけでも、なんだか楽しかった。